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サンデー毎日発

今からでも出願できる私立大 志望を貫くための次の一手

立命館大・大阪いばらきキャンパス

 2007年以来続いている私立大の志願者増は今春も継続し、難化する大学が増えると見られている。それでも、2月中旬以降でも大半の受験生のレベルに応えられる大学への出願が間に合うので、落ち着いて入試に臨みたい。

     私立大の難化が続いている。入試方式の多様化による入試機会の拡大や受験料割引、インターネット出願などによる出願しやすい環境に加え、現行の教育課程になって、国立大入試で理科の科目負担増が進んだこともあり、志願者が増えているのだ。昨年の志願者数ランキングに注目すると、1位の近畿大以下、多い順に法政大、早稲田大、明治大、日本大、東洋大までの6大学で志願者が10万人を超えた。

     このように志願者が増えているところに、定員管理の厳格化が難化に拍車をかける。定員規模が8000人以上の大規模大学で、これまで120%まで認められていた入学者の定員超過率が2016年から段階的に下げられ、今春入試では、110%を超えると補助金不交付の対象となる。代々木ゼミナール教育研究所主幹研究員の坂口幸世さんは言う。

     「定められた超過率に入学者が収まるように合格者を減らしているため、2年連続で私立大は厳しい入試になっています。今春も私立大の出願状況が好調な上、さらに定員管理の厳格化が進み、合格者減が見込まれるので、厳しい入試状況が継続すると見ています」

     私立大の志願者は07年から連続で増え続けてきたこともあり、合格者減だけでも難化要因なのに、志願者のレベルも上がる可能性がある。昨年、早稲田大や明治大など多くの難関私立大が合格者を絞ったため、今春入試に臨む浪人生の数は例年以上で、難関大を中心にハイレベルな入試になりそうなのだ。こうした状況を踏まえると、今春もメインの前半戦の入試で涙をのむ受験生が増えそうだが、幸いにも、2月中旬以降に出願できる大学は数多くある。

     昨年、志願者が10万人を超えた前出の6校は、今春もさらに志願者が増えて厳しい入試が見込まれるが、近畿大は後期募集が残っている。法政大と早稲田大の受験機会はないが、明治大はセンター方式で商、理工、総合数理の3学部が受験可能だ。同様にセンター方式で受験できる受験生の人気が高い難関大には、昨年の志願者数ランキング7位の立命館大と8位の関西大、10位の中央大がある。

     「このクラスの大学のセンター方式は、早慶や同志社大などを第1志望にできる学力が必要ですが、目標点をクリアしていれば合否が読みやすい入試です。一般的な私立大のセンター方式より多くの科目数が課されるケースが大半ですが、後期募集を行わない最難関私大や国公立大を目指す受験生は視野に入れておくといいでしょう」(代ゼミの坂口さん)

     一般方式を活用したい受験生は、前出の近畿大をはじめ、昨年の志願者数ランキング上位大学でも再チャレンジできるところがある。難関私立大では立命館大と関西大があり、次のクラスでは、日本大がA方式とN方式で2期募集を行い、東洋大は中期と後期日程が受験できる。このクラスでは、駒澤大と専修大も後期試験を実施している。

     このように人気大学の再チャレンジの道は残っているが、出願先を見誤ると返り討ちに合うかもしれない。入試後半戦に向けた大学選びのポイントについて、代ゼミの坂口さんは、こう話す。

     「浪人を視野に入れているのなら、前期で不合格になった大学への再チャレンジも悪くはありませんが、不合格の要因が学力なら、後期も厳しい入試になるでしょう。今年中に決めなければならないのなら、前期より難易度が低い大学にも目を向けるべきでしょう」

    「併願割引」も上手に使って後半戦で勝つ

     これから出願できる大学は一部の難関大を除いてあらゆる難易度帯の大学がある。その上、後期は通常の3教科方式ではなく、苦手科目を外して受験できる少数科目入試など、前期より合格の可能性が広がる方式が多い。

     少数科目ということでは、前出の関西大と立命館大が学部・学科によって2科目受験が可能。同様の方式を採用する大学は、東北学院大、昭和女子大、東海大、関東学院大、岐阜聖徳学園大、愛知学院大、京都産業大、京都橘大、龍谷大、摂南大、阪南大、神戸学院大、広島工業大、広島修道大、福岡大、立命館アジア太平洋大など、日本全国に数多くある。

     その他、面接と学科試験を組み合わせた方式を実施するのは、今春、東京都港区に開設する東京赤坂キャンパスに赤坂心理・医療福祉マネジメント学部を新設する国際医療福祉大。後期を実施する学部の内、薬は学力検査2科目と面接、その他は面接と1科目で合否を判定する。追手門学院大は後期が英語と国語で、最終日程は英語と現代文の基礎力を見る基礎力診断テストで合否が決まる。さらに甲南大、流通科学大など、学部(学科)により1科目で受験できる大学がある。聖学院大のC・D日程は英国の2教科を受験した上で、上位の1教科で合否を判定する。

     ところで、後期まで粘った時にばかにならないのは、一般入試が3万5000円程度、センター方式で1万5000円程度かかる受験料。それでも、日本大のN方式は1学科あたり1万8000円で受験できる。聖学院大は一つの入試方式で2学科目の検定料が無料になるなど、こうした併願割引を採用する大学は数多くある。複数受験で合格の可能性を高めつつ、リーズナブルに受験できるので活用したい。

     入試科目や併願のしやすさなどの面で後期は受けやすい大学が多いが、問題は合格者数。後期の合格者数は、前期の辞退者数に左右される。私立大入試が難化した昨年は、前期の入学手続き率が良く辞退者が少なかったため、後期の合格者数が例年より減った。代ゼミの坂口さんは、後期の合格者減の流れを踏まえて、こう話す。

     「今春入試も前期の合格者の歩留まりが良いと見られ、後期で定員を超えて合格者を出す大学は少ないかもしれません。日程が後になるほど募集人員や入試機会が少なくなります。インターネット出願が普通になって、便利になっているので早めに対応すべきです」

     例年より厳しくても、これから出願できる大学は数多くある。安心して、まずは手持ちの大学に全力投球したい。【大学通信・井沢 秀】

    *週刊「サンデー毎日」2018年2月18日号より転載。今からでも出願できる私立大246校の情報は実際の誌面で確認してください。

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