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社説

平昌五輪の南北統一旗 政治利用控える慎重さを

 政治的主張のために五輪を利用することは慎まねばならない。

     平昌(ピョンチャン)冬季五輪では、韓国と北朝鮮の使う「統一旗」が問題となっている。白地に青く朝鮮半島を染め抜いたデザインに、日韓両国が領有権を主張する竹島を加えた旗を北朝鮮の応援団が開会式で振った。

     開幕直前にも女子アイスホッケーの南北合同チームの練習試合で竹島を描いた統一旗が会場に掲げられ、日本が強く抗議していた。

     韓国政府は練習試合の際、五輪の公式行事では竹島のない統一旗だけを使用すると毎日新聞の取材に答えた。練習試合は国際オリンピック委員会(IOC)と関係ないので違う扱いになったという説明だった。

     だが、普遍的原則としてスポーツの政治利用を禁じる五輪憲章を考えれば、たとえ練習試合であっても竹島の入った統一旗の使用は疑問だ。しかも現実には、北朝鮮による竹島入りの旗使用を制限できていない。

     そもそも統一旗には竹島は描かれていなかった。1991年の卓球の世界選手権(千葉)で初めて合同チームを結成した韓国と北朝鮮が、国土の象徴として朝鮮半島と済州島だけを描くことで合意したからだ。

     その後、竹島入りの旗を使い始めたのは北朝鮮だとされる。「日本に弱腰だ」と韓国を揺さぶる狙いがあるのかもしれない。

     ただ、状況を大きく変えたのは韓国の李明博(イミョンバク)大統領(当時)による2012年の竹島上陸である。李氏の行為によって竹島はそれまで以上に強い政治性を帯びるようになり、日韓両国のナショナリズムが衝突する場となった。

     教訓として想起すべきなのは、李氏が竹島に上陸した日に行われたロンドン五輪の男子サッカー3位決定戦での出来事であろう。

     日韓対決を制した韓国選手の一人が竹島の領有主張を記した紙を観客から渡され、ピッチで掲げた。IOCと国際サッカー連盟(FIFA)は政治的行為だと問題視し、この選手を処分した。

     今回も、竹島入りの統一旗を観客から受け取って競技会場で振れば選手が問題にされるだろう。韓国政府はそんなことが起きないよう選手を含む関係者に注意を促すべきだ。それが開催国としての責任である。

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