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獅子舞

津波で道具や衣装流失 岩手・宮古で復活の舞披露

復活した「法の脇獅子舞」を住民に披露する会員ら。踊りには躍動感があった=宮古市の津軽石公民館で2月11日、鬼山親芳撮影

 東日本大震災の津波で一切の道具や衣装を流失した岩手県宮古市津軽石の郷土芸能団体「法の脇獅子舞保存会」が11日、地元であった津軽石郷土芸能祭に出演し、「復活の舞」を披露した。観客の住民からは祝福の拍手が湧き、出演者たちも「復興の励みになる」と感激していた。

     津波は津軽石川河口の集落にも押し寄せ獅子頭や衣装、太鼓などすべての道具を保管していた公民館をのみ込み、流し去った。27戸あった住民らはその後、同じ津軽石地区に14戸が集団移転するなどした。跡地に住宅は再建できない。

     地域に住民はいなくなったが、「法の脇」の通称名は残った。「何とか獅子舞を復活できないか」。そう考えていた住民に支援の手が差し伸べられたのは間もなくのこと。寺院や企業から申し出があり、太鼓や衣装を少しずつ調えていった。獅子頭も会員の一人が14個もこしらえた。津軽石中学校も文化祭でいち早く復活させるなど後押しした。

     こうして2016年8月、地元の稲荷神社の祭りを皮切りに演舞活動を始め、地区の伝統芸能が出そろう今回初開催の津軽石芸能祭に出演の手を挙げた。

     法の脇の獅子舞は江戸時代末期の慶応年間に今の宮古市茂市から伝わり、山田町大沢からも踊り方を取り入れたという。保存会の会員も今では10人以上に復活した。

     この日は11人が躍動感いっぱいの舞を見せた。年配の女性からは「こんなにいっぱい(獅子がいる)」と驚きの声が上がった。出演した津軽石小5年の盛合華代さんは「地域の芸能は楽しい。これからも踊りを続け、伝統を守っていきたい」と話し、額の汗をぬぐった。保存会会長の長洞正人さん(62)も「震災復興には伝統芸能の力が欠かせない」と前を見据えた。【鬼山親芳】

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