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第103回全国高校野球選手権

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’18センバツ由利工 届けエール/1 コンビニ店オーナー・渡辺恒明さん 審判員として見守る /秋田

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由利工のセンバツ出場をわがことのように喜ぶ渡辺恒明さん=由利本荘市石脇で 拡大
由利工のセンバツ出場をわがことのように喜ぶ渡辺恒明さん=由利本荘市石脇で

 <第90回選抜高校野球>

応援団で試合観戦、差し入れも

 センバツに向け日々練習に励む由利工の選手たち。憧れの舞台に挑むのは選手だけではない。彼らを支え、熱いエールを送る人たちの存在も見逃せない。そんな「応援団」の姿を追う。【川口峻】

 センバツ出場が決まった直後、由利工にほど近いコンビニエンスストアには出場決定を報じる新聞の号外が何枚も張り出され、お祝いムードになった。

 「甲子園出場は信じていたけど、やっぱりうれしいね」。同店のオーナー、渡辺恒明さん(49)は顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 登下校などの時間帯は自転車に乗った由利工生が大きな声であいさつしてくれる。特に試合当日、部員が球場に向かう際は何台も自転車が連なり全員があいさつするため、「山びこみたいに聞こえるんだ」と目を細める。

 野球部との縁は深い。それは「審判員」というもう一つの顔を持つからだ。中学と高校の試合を練習試合を含め年間60~70試合ジャッジしている。現在の野球部員たちが中学生のときから試合を見守ってきた。「みんな自分の息子みたいだよ」

 自身も選手経験があり、長男の鐘太さん(27)は明桜で甲子園を目指していた。

 2008年夏、明桜は初戦から3戦連続でコールド勝ち。「甲子園に応援に行く旅費を貯金していた」。だが準決勝で地元の本荘に3-4でまさかの敗退。不完全燃焼の気持ちが残り、「まだ野球に関わりたい」と一念発起。審判員のライセンスを取得した。

 「二足のわらじ」は多忙を極める。車にマスクなどの審判用具を積み込み「今日は由利工で紅白戦がある」と耳にすると、店を従業員に任せて球審を買って出る。従業員からは「また行くんですか」と言われることもしばしば。それでも「選手の成長を間近で見られる大事な機会だから」とグラウンドへ急ぐ。

 また「地元の応援団」の顔も持つ。昨秋は中央地区大会、県大会、東北大会まですべての試合に足を運んだ。東北大会ではゼリー飲料を人数分差し入れて激励。スタンドでも声をからした。

 また年末年始には、遠征費を稼ぐためアルバイトに励む選手2人を受け入れた。「あの元気なあいさつで、こちらが元気をもらっている」と話す。

 「必ず甲子園のアルプススタンドで応援しますよ」。今から興奮を抑えられないようだ。=つづく

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