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田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

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田中優子の江戸から見ると

雪から新春へ

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 2月16日は旧正月で本来の日本の新春である。今年の冬は寒かった。雪もたくさん降った。こういう冬を経ると、正月はなるほど春の到来だと感じられる。

 雪を見ながら「着物では歩けないな」と思う。しかし江戸時代の人々は雪の中を着物で歩いていたのである。雪国にはさまざまな用具があったが、都市部では雪の日に何を着て何をはいたのだろうか?

 まず重ね着と真綿の使用である。十二ひとえの先例があるように、江戸時代でも寒いときは重ねて着た。さらに蚕の繭を薄くのばした「真綿」があった。冬の季語にある「綿入れ」は、あわせの2枚の布の間に真綿を入れたものだ。「綿入れ羽織」もあった。

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