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’18センバツ由利工 届けエール/3 整体師・荘司理之さん 体に加え精神面ケア /秋田

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部室で選手にマッサージを施す荘司理之さん 拡大
部室で選手にマッサージを施す荘司理之さん

 <第90回選抜高校野球>

部室で選手と向き合う

 「腰が痛いです」。選手がマットに横たわり、体の悩みを訴える。じっくり体をもみほぐすのは、整体師の荘司理之(みつゆき)さん(37)だ。20分ほどゆっくり時間をかけて選手の体と向き合う。

 荘司さんは1月中旬から週2回、由利工野球部の部室に足を運び、ボランティアで選手たちの体のケアに携わっている。冬場のウエートトレーニングでは下半身への負荷が大きくかかるため、腰の痛みを訴える選手が多いという。

 由利本荘市内のマッサージ店に勤めて1年半になるが、前職は生命保険の営業担当だった。営業先で「健康が一番大事だよ」いう声を多く耳にした。「保険のように病気になったときのバックアップも大事だが、日常を元気で過ごせるためのお手伝いをしたい」と考えるようになり、整体の世界に飛び込んだ。

 野球部員のマッサージを担うようになったのは、大友丈選手(2年)と、父で「野球部親の会」の大友雄会長(40)の親子が荘司さんの店に通院していたのがきっかけ。大友会長と店長の成田淳一さん(37)らが話し合い、野球部への“出張整体”が決まった。荘司さん自身も野球などの運動歴があり、けがに悩んだ経験があったため、「ぜひ」と快諾。あいさつが丁寧な野球部員たちとすぐに打ち解け、1月26日にセンバツ出場が決まった時は、我がことのように喜んだ。「やりがいが大きくなりました」という。

 だが当初は選手たちが日ごろ鍛えているせいか「(押しても)強く跳ね返ってくる」筋肉の取り扱いに苦慮した。現在はかなり慣れ、「投げやすくなりました」などと好評だ。高橋俊造投手(2年)は「腰が痛かったのですが、筋をピンポイントで押してもらうと、次の日は動きやすくなり、しっかり投げられるようになった。部室まで来てもらってありがたいです」と感謝を口にする。

 「甲子園までの練習は厳しく、本番ではとても緊張すると思う。選手が何でも話しやすい雰囲気を作り、精神面でもケアしてあげたい」。荘司さんの視線は限りなく優しい。【川口峻】=つづく

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