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坂村健の目

東洋大情報連携学部(INIAD)の坂村健学部長が科学の視点でつづるコラム。

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「ブロックチェーン」の潜在能力

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 不正アクセスで巨額の資金が流出した仮想通貨。ニュースに出てくる「ブロックチェーン」という用語を、新しいネットの詐欺技術のように受け取っている人がいるかもしれない。

 しかし、仮想通貨を実物の紙幣に例えるなら、ブロックチェーンは「透かし」や「磁気インク」などの紙幣偽造防止技術。今回の流出は、紙幣を取り扱う両替商(コインチェック社)に問題があったわけで、紙幣偽造防止技術自体が悪いわけではない。それどころかブロックチェーンは、大きな可能性を持つ技術だ。

 すべての価値のやり取りを記録して、各人の所有分を常に把握できれば、物理的媒体(紙幣など)を必要とせず、数字だけで各自が所有する価値を保証できる--。これがブロックチェーンを使った仮想通貨の思想だ。だから取引も、実態は「通貨の受け渡し」より「精算の連鎖」に近い。

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