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<第90回記念選抜高校野球>
昨秋の高校野球東北大会で初優勝を果たした聖光学院は、5年ぶり5回目となるセンバツへの切符を手にした。栄光の春をつかむまでの選手たちの歩みを、2回に分けてたどる。
聖光学院は東北大会の4試合でチーム打率4割8厘、44点を奪う打撃で他チームを寄せ付けずに優勝した。だが、このチームは最初から「タフ」だったわけではない。
「この代なら、2017年の秋季東北大会で優勝できる」。16年10月。現在のチームの主力がまだ2軍の「Bチーム」だった時に指導を任された横山博英部長(47)の胸は、期待に膨らんだ。
矢吹栄希選手や須田優真選手、五味卓馬選手など体がしっかりして能力の高い選手がそろっている。なにより真面目で、率先してチームを良くしようとする姿勢が好ましかった。
しかし戦績はついてこなかった。東北地方の有力校などが集まる16年11月の新人戦東北大会。聖光学院は3連覇がかかっていたが、準決勝で能代松陽(秋田)に敗れ、その後も負けが続いた。真面目さゆえに「完璧」を求めすぎるのが原因だった。
「五回が終わって4-5で負けているぐらいなら巻き返せる。それでも、選手たちは10-0の圧勝以外はつらいと考えてしまう」。横山部長はそう振り返る。焦りからエラーをし、打てなくなった。
昨年、夏の甲子園が終わって3年生が引退し、自分たちが主力になった。秋季県大会が近づいてくると、プレッシャーから「野球をするのが怖い」と泣く部員が出た。それでも横山部長は「お前たちが神宮(明治神宮野球大会)に行けなければ、次はない」と、東北大会優勝を求め続けた。「強くなれる」。そう信じるからこその厳しさだった。
負けても次の勝ちにこだわり続ける部長の姿に、「自分たちを信じてくれる。恩返しをしたい」という思いが芽生えた。1軍であるAチームの指導は、秋季東北大会が終わると斎藤智也監督(54)に移る。横山部長にとってはこの大会が最後の指導。練習後の選手ミーティングで「優勝を部長に届ける」という言葉が何度も聞かれるようになっていった。
東北大会に向けて実力を蓄え、試す17年8月の関東遠征に行くころには、勝負を怖がる選手の姿は消えていた。接戦でも「想定内。大丈夫」と声が飛んだ。上石智也投手は「今までは、エラーして使ってもらえなくなったらどうしようとか、自分のことばかり考えていた。横山部長のためにと思うようになってからは勝負だけに集中できるようになった」と話す。戦う意味を明確にできたチームに、勝利をつかむ確実な手応えが生まれていた。
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