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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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怒りで我を忘れる「ブチ切れる」を米国では…

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 怒りで我を忘れる「ブチ切れる」を米国では「ゴーイング・ポスタル(going postal)」という。1986年、オクラホマ州で解雇されると聞いて激高した郵便局員が職場で14人を射殺した事件に由来する▲おかげで無差別殺人のビデオゲームに「ポスタル」のタイトルがつけられ、怒った米郵政公社は商標権侵害で提訴したが退けられる一幕もあった。そして残虐な乱射が絶えることなく繰り返されたのは、この32年間の現実世界である▲こちらの容疑者は退学処分を受けていた元生徒という。米フロリダ州パークランドの高校で起こった銃の乱射で生徒ら17人が亡くなった事件である。銃撃には、過去の事件でもたびたび使用された殺傷力の高い半自動小銃が使われた▲トランプ大統領は弔意を表すツイッターで「米国の学校で安全でないと感じるべきではない」と述べた。だが米国では先月もケンタッキー州の高校で生徒の乱射により2人が死亡している。今や郵便局より学校が安全なわけではない▲何かの拍子にブチ切れる少年はどこの国にも珍しくはない。しかしその手元に高性能な小銃がある国で「学校」が乱射事件の代名詞になることを防げるのか。心理学の実験ではそれを目にするだけで他者への攻撃性を高める銃である▲「そのうち話し合う」とはラスベガス乱射事件後に銃規制について問われた大統領の言葉という。攻撃衝動と銃の結びつきを断てない社会では「ゴーイング○○」の○○が何であれ、驚くわけにいかない。

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