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終わらぬ憎悪

コソボが独立宣言してから17日で10年。紛争と紛争を生んだ民族間の憎悪を引きずり、国としての歩みは思い通りに進んでいない。欧州で「最も新しい国家」の現状を追った。

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コソボ独立10年/3 北部の「闇」浮き彫り

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オリバー・イバノビッチ氏が殺害された現場。セルビア国旗が掲げられ、花が手向けられていた=コソボ北部の北ミトロビツァで6日、三木幸治撮影
オリバー・イバノビッチ氏が殺害された現場。セルビア国旗が掲げられ、花が手向けられていた=コソボ北部の北ミトロビツァで6日、三木幸治撮影

 1月16日朝、コソボ北部の北ミトロビツァで数発の銃声が響いた。政治家のオリバー・イバノビッチ氏(64)が事務所から出た直後に殺害された。コソボ紛争後、北部に集中するセルビア系住民とアルバニア系が主導するコソボ政府との和解を促してきたイバノビッチ氏の死は、北部の「闇」の深さを改めて浮き彫りにした。

 アルバニア系がセルビアからの独立を求めて戦ったコソボ紛争。ミトロビツァは川で南北に分かれているが、紛争中にコソボ各地のセルビア系住民が北部に逃げ込み、北部のアルバニア系は南に逃げ、街は「分断の象徴」となった。現在、ミトロビツァを含めた北部4自治体にセルビア人が集住している。

 紛争後も北ミトロビツァはセルビア政府が実効支配していたが、2013年の政府間合意で状況が変わった。警察権はセルビア警察からコソボ警察に移管され、今年に入り裁判官や検察もコソボ側に統合。徐々に「コソボ化」が進む。セルビアは欧州連合(EU)加盟が悲願だが、加盟にはコソボとの関係正常化が必要。そのためコソボ北部を明け渡し始めているのだ。EUは今月、25年までにセルビアのEU加盟を目指す方針を明らかにし…

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