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カンボジア

不敬罪の新設、検討 政権批判「口封じ」策か

カンボジア政界の構図

 【バンコク西脇真一】カンボジアのフン・セン政権が、国王に対する不敬罪の新設を目指している。新設のための憲法や刑法の改正案は既に下院を通過し、近く上院も可決する見通し。これまで政権は、最大野党・救国党を解党に追い込んだり、反政権のメディアに圧力を加えたりし、強権化が指摘されてきた。7月の下院選を控え、不敬罪が政権批判の「口封じ」策として政治利用されないか、国際人権団体などが懸念している。

     救国党が下院に有した議席は既に与党、人民党などに配分されており、14日に下院は法案を全会一致で可決した。国王を侮辱したとして有罪になれば、最高で禁錮5年、罰金1000万リエル(約26万円)が科される。

     カンボジア憲法は国王を「国家の統合と永続の象徴」などと規定。地元メディアによると、フン・セン首相は「協力してカンボジアの独立、主権を守り、部外者の干渉にも対抗すべきだ」などと、法改正の必要性を説明している。現在の国王は故シアヌーク国王の息子で2004年に即位したシハモニ国王。

     一方、不敬罪新設は、下院選をにらんだ動きとの見方もある。13年の前回選挙は、フン・セン首相への批判から救国党が躍進。さらに、救国党は「選挙に不正があった」として結果の受け入れを拒否し、国会をボイコットする構えを見せた。

     この際、シハモニ国王は与党・人民党と救国党との仲裁に動いたが、不調に終わった。国王は国会を招集し人民党の要請通り、フン・セン氏を再び首相に指名。救国党や支持者らを失望させた。

     ある政府関係者は「国王に政治対立の調停役を期待する向きもあるが、一部の救国党関係者は反国王派とみなされている」と話す。

     不敬罪は隣国タイにもあり「異なる意見を封じる政治的な目的で適用されている」との批判が強い。カンボジアでの新設の動きに国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は「露骨な独裁主義へと向かっている」と批判している。

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