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美学から障害を探る伊藤亜紗さん 違いを知ることから

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伊藤亜紗さん=根岸基弘撮影
伊藤亜紗さん=根岸基弘撮影

毎日新聞創刊146周年記念特集

 障害者と健常者の体の使い方や感じ方の「差異」に注目するなど、独自の視点で研究する東京工業大リベラルアーツ研究教育院の伊藤亜紗准教授(38)。視覚障害や吃音などさまざまな障害がある約50人に、道順を覚えるなどの日常動作や泳ぐ、走るなどスポーツをする際、どのようなアプローチで達成しているかを問い、それを表現する言葉を当事者と共に探してきた。インタビューの内容はホームページでも公開。そのやりとりからは障害者が健常者にサポートされるだけではない、対等な関係が浮かぶ。伊藤准教授は「当事者自身を探る、共同研究のような感じです」と笑顔で語る。

 専門は福祉ではなく、美学・現代アート。「美学とは哲学の仲間で、芸術や感性など言語化しにくいものを言葉で説明しようとする学問」と伊藤准教授はいう。障害のある人に出会ったとき、自分の中に起きる反応を受け止め、言葉で相対化できた時に、相手のことがわかるのだという。言葉を大切にする、美学のアプローチを使うと障害は自らのもののように「感じる」ものとなる。

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