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第94回センバツ高校野球

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輝け星稜

18センバツ チーム紹介/下 団結支える裏方の星 勝利、心待ちに奔走 /石川

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トレーニングに励む星稜の選手たちを見守る小布施承太郎さん(中央)=金沢市で、日向梓撮影 拡大
トレーニングに励む星稜の選手たちを見守る小布施承太郎さん(中央)=金沢市で、日向梓撮影

 星稜野球部は全員がプレーヤー。データ分析や公式戦の記録員、来客へのお茶出しといったマネジャー業務を部員で分担する代もあるが、新チームでは小布施(こふせ)承太郎さん(2年)が一手に担う。小布施さんは「全員が同じ方向を向いてセンバツに臨めるようにするのが自分の仕事」と表情を引き締める。

 もちろん「星稜野球部に来た以上、選手としてプレーするのが第一」だと思っていた。正捕手を目指し、練習試合でマスクをかぶったこともある。だが、周囲にはレベルの高い部員が大勢おり、「レギュラーの座をつかむのは難しい」とも感じていた。

 昨年8月、林和成監督と2人きりになった時にマネジャー就任を打診された。「周囲をよく見ている。捕手を続けながらやってほしい」。自分を見てくれていて、信頼してもらったと思うとうれしかった。両親の「人を支える仕事は向いている」という言葉にも勇気づけられた。林監督は「マネジャーは監督と選手の間に入る重要な役割。気配りと発言力が必要で、主将以上に大事なポジション」と話す。

 今冬は例年と違い、3月23日のセンバツ開幕に向けチーム作りを急がなければならない。実戦練習が増え、打撃投手やノッカーが必要になる。率先して引き受ける小布施さんは「ベンチを外れた1年生には、夏もその先もある。練習に専念させてあげたい」。

 その背中をみんなは見ている。山瀬慎之助捕手(1年)は、学年のまとめ役を命じられ不安だった時に、よく相談に乗ってもらった。「小布施さんはチームの雰囲気を明るくしてくれる」。鯰田(なまずた)啓介副主将(2年)は「大変な仕事でなり手がいないマネジャーを、すぐに引き受けてくれた。本当にありがたい」と話す。

 センバツ出場が決まってからは、来客も増えた。小布施さんはコーヒーのいれ方を一から学び、「ミルクや砂糖など相手の好みを覚えるのは難しいけど、最近わかってきた」。山下智茂・名誉監督は「ここで覚えた気配りは、大人になった時にきっと役に立つ」と目を細める。

 「このチームは全員がすごいわけじゃないので、団結が大事。ベンチ入りする部員と、そうじゃない部員の間に入ってサポートしたい」。小布施さんは、みんなで勝利をつかむ日を心待ちに、忙しく駆け回っている。【日向梓】

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