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第94回センバツ高校野球

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英明再び

野球部の歴史/中 戦歴重ね、見えた甲子園 2010年初出場、翌年には初勝利 /香川

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甲子園で初勝利を挙げ、笑顔でスタンドへあいさつに向かう英明ナイン=阪神甲子園球場で2011年8月9日、大竹禎之撮影 拡大
甲子園で初勝利を挙げ、笑顔でスタンドへあいさつに向かう英明ナイン=阪神甲子園球場で2011年8月9日、大竹禎之撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 野球部が創部されてから3年目の2007年。英明が甲子園への手応えを感じた最初の試合があった。創部1年目に入学し、現在は藤井高校の野球部顧問、三好智也さん(28)は振り返る。「あの時、本当に甲子園が見えた気がした」

 夏の香川大会3回戦、対戦相手は甲子園常連の尽誠学園。英明は序盤に先制を許したが、「このまま終わるわけにはいかない」と打線が奮起。なんとか追いついて延長に突入した。入部時から苦楽をともにした3年生エース、新田禎人さんが延長十五回、219球を1人で投げ抜いた。しかし最後は本塁打を打たれて惜しくも敗れた。

 英明は、再三巡ってきたサヨナラ勝ちの好機をスクイズ失敗などで生かすことができなかった。尽誠学園はそのまま大会を制し、甲子園出場を決めた。三好さんは「あそこでもし勝っていれば、という思いが日に日に募った。勝てる試合だったから本当に悔しかった」と話す。

   ◇

 英明の初代メンバーは、香川智彦監督の就任を知って入学した者が多かった。当時の部員は「監督の下で野球をやりたいと、力のあるメンバーが集まった」と言う。

 香川監督は丸亀商、専修大でプレーし、寒川や社会人野球の阿部企業でも監督を務めた。「勝ちにこだわる野球」を信条に、1997年には丸亀城西を夏の甲子園に導いた。

 創部間もない頃は部員が少なく、1年生でも試合に出るチャンスに恵まれた。甲子園を狙うチームになろうと、香川監督の厳しい指導もあり、野球部として確実に成長していった。

   ◇

 創部3年目の春の県大会。前年秋の県大会で優勝していた高松第一と初戦でぶつかった。監督、選手が一丸となって「打倒・高松第一」を掲げ、相手投手や打線を徹底的に研究。試合ではその分析が次々と当たり、3-1で勝利をつかんだ。強豪を倒したことでナインは自信を深めた。

 続く夏の香川大会では、強豪・坂出商を接戦で破り、尽誠学園も追い詰めた。甲子園には届かなかったが、戦いぶりを見た県内の有望選手が英明に集まり始めた。その後、英明は2010年夏に初の甲子園出場、11年夏には連続出場して初勝利も挙げた。

 三好さんは高校時代、香川監督が投げかけた言葉を今でも覚えている。勝って浮かれているナインに向かって「軽々しく甲子園へ行きたいと言うべきではない」と指導した。勝負の厳しさを知る指揮官ならではの言葉だった。

 三好さんは力を込める。「自分が指導者になり、香川監督と同じことを子どもたちに言っている。『甲子園へ行きたい』と言うには、その裏付けとなる練習をこなし、頑張る必要がある」【潟見雄大】

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