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’18センバツ創成館 第1部 創成館野球/5 一球の重みと執念 /長崎

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ノックを受ける創成館の選手たち=徳野仁子撮影 拡大
ノックを受ける創成館の選手たち=徳野仁子撮影

 「視野が狭すぎる!」「そこはタッチプレーだろ」。1月27日、センバツ出場決定の喜びに湧いた前日から一転し、創成館のグラウンドにはノックを打つ末永知昭コーチ(27)の厳しい声が響いた。実戦を想定し、走者を入れて守備の動きを確認する練習。末永コーチは終了後、選手たちに「センバツが決まったからといって球際(たまぎわ)が弱いんじゃだめだ」と指導の声が飛んだ。

 創成館の守備練習にはひとかたならぬ熱が籠もる。何より稙田(わさだ)龍生監督(53)自身が「守備の人」だ。社会人野球の九州三菱自動車(福岡市)で14年間、内野手としてプレーし、福岡県社会人野球のベストナインにも選ばれた。九州三菱自では監督も務め「守りの野球」を構築した。稙田監督は「守備が大好き。(プレーでも)譲れない部分がある」と断言する。

 ノック練習の風景も他校とは少し違う。選手が捕れるまで何本でもノックを続けるチームが多いが、創成館では捕れなくても次の選手にノックは進む。重視するのは「1球の重み」。稙田監督は「球数が多いと雑になる。失策の7割は送球。送球まで手を抜かずに集中して投げることが大事だ」。

 守備の要となるのは、藤優瑠(ふじゆうり)選手(2年)と徳吉涼太選手(2年)の二遊間。二塁手の藤選手は昨夏、右肩を痛めてスローイングができず、筋力トレーニングで体幹を鍛えた。「打球が飛んで来た時の1歩目が速くなった」と語る。外野手も中堅の峯圭汰主将(2年)を中心に俊足と強肩の選手がそろう。昨秋の九州大会では4試合で失策1。今年のチームのスローガンである「球際の執念」を見せた。

 一方で、明治神宮大会ではミスの重さも思い知った。決勝の明徳義塾(高知)戦では初回、内野の失策で出した走者に先制のホームを踏まれ、試合の流れをつかめなかった。稙田監督は「あれで負けた」と振り返る。

 堅い守備から攻撃のリズムを作ることができるか。選手たちは甲子園の舞台を頭に描き、紅白戦練習に取り組んでいる。=つづく

〔長崎版〕

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