連載

水説

古賀攻専門編集委員の政治を中心としたコラム。

連載一覧

水説

農業は甘くない=中村秀明

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <sui-setsu>

 「レタスが423円かあ。買えないわね」

 スーパーの野菜売り場で子どもを連れた母親のため息を聞いた。野菜の高騰が長引いている。台風被害と日照不足、その後の寒波が原因だが、背景には野菜農家の生産力の衰えがある。

 生育状況を回復させ、寒さから守るにはビニールで畝(うね)を覆う「トンネル被覆」などの対策がいる。就農者の平均年齢が66歳を超えた現場では、わかってはいても素早くできる作業ではない。

 葉物の野菜は植え付け、水やりなどの管理、収穫に人手がいって機械化がなじまない。消費者の野菜離れも進み、手間がかかる割にはもうけは少ない。都市近郊の兼業農家の高齢者が「いつやめてもいい」と思いつつ、こつこつ作っているのが平均的な姿である。天候不順などで長く品薄となり、価格が安定しないのも無理はないのだ。

この記事は有料記事です。

残り631文字(全文990文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集