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再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で、バイオマス発電認定量の3分の1以上を、環境負荷が大きいとされるパーム油発電が占めた。経済産業省は「想定外」とし、審議会は環境影響などの第三者認証が必要とした。環境保護団体は対象外とするよう求めている。
●泥炭地破壊招く
国連環境計画(UNEP)が2009年に公表した調査によると、パーム油を燃焼させると化石燃料よりも二酸化炭素(CO2)排出を減らせるとされる。しかし、パーム油の原料となるアブラヤシ農園の開発を考慮すると話は変わる。アブラヤシの多くは、熱帯雨林や湿地の泥炭地を開発して栽培される。熱帯雨林はCO2を吸収する機能を持っており、UNEPの評価では、熱帯雨林の破壊でCO2排出量が化石燃料の8倍増える。また、泥炭地では水に浸された植物遺物のかたちで膨大な炭素が保存されており、泥炭地破壊でCO2排出量は20倍も増えると見積もられた。
環境省も10年、バイオ燃料の原料調達から製造、使用、処分などに至る分析(LCA)を行うためのガイドラインで「温室効果ガス削減効果が十分でない可能性がある」燃料としてパーム油を挙げた。ところが、経産省は電力を高く買い取るFITの対象としてパーム油発電を事実上、容認。17年9月末までに認定した「一般木材等バイオマス」の発電出力1278万キロワットのうちパーム油を含むものは36%に達した。
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