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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

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センバツ 膳所 第2部・指導者に聞く/上 全て与えず、考えさせる 上品充朗監督(48) /滋賀

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ノック中に選手の動きを注意する膳所の上品充朗監督=大津市の同校グラウンドで、森野俊撮影 拡大
ノック中に選手の動きを注意する膳所の上品充朗監督=大津市の同校グラウンドで、森野俊撮影

 <第90回選抜高校野球>

 3月23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に向けて日々汗を流す膳所ナイン。選手たちを鍛え、寄り添ってきた上品充朗監督(48)にセンバツへの思いや指導方針、チームの特徴などを聞いた。【森野俊】

 ◆センバツ出場が決まった率直な感想は?

 選ばれることはないだろうと思っていました。授業の終わりに生徒が廊下で沸いていて、「先生、行きましたね!」と言われ「えー!」という感じ。膳所の甲子園出場は40年ぶり、学校は創立120周年、センバツは90回目で、不思議な巡り合わせですね。

 ◆監督として大切にしていることは?

 60%は与えるので、80%にして持ってきてくださいという、意図的な不完全指導ですかね。選手たち自身に考えさせるので、時間はかかりますし、面倒ですが、こちらが与える100%よりもずっと価値がある。

 ◆昨秋の県大会で印象に残っている試合は?

 3回戦の大津商戦ですかね。こちらは打ちあぐねて、完全に向こうペースでした。九回にエラーから満塁のピンチになったので手塚皓己投手(2年)に託しました。が、ポテンヒットと押し出し(四球)で逆転。でも、吹っ切れたのか、後続2人を両方見逃し三振で締めた。これが大きかった。テンポ良く回が終われたので、九回裏のベンチに負けるような雰囲気はありませんでしたね。

 ◆チームの特徴や強みは?

 秋の大会でも出たかなと思っているのですが、心の揺れ動きが小さい選手が多い。センバツの出場が決まっても、浮かれすぎず、落ち着きすぎず、普段通りに過ごせています。それと「まずやってみよう」と、素直に、恐れずに、何でも始められるところも彼らの良さですね。言われたことだけでなく、自ら練習メニューを考えて提案してきたりする。

 ◆選手たちに足りないことは?

 野球の技術的なこと全部。打撃も守備も走塁も、基本的な能力が足りていません。選手にもセンバツ出場36チーム中、君たちは37番目だからねと言っていますよ。

 ◆「データ班」の意義は?

 選手たちの能力の穴を埋めてくれる。選手の能力が低いので、例えば、守備で横に振られるとエラーも送球ミスも増える。そこで、正面なら大丈夫でしょうという発想。データを基に、相手によって守備位置を野球界で言われる「定位置」とは違う位置に変えています。このおかげで、左中間への長打級の当たりがレフトの正面なんてことも、これまでに多々ありました。

 ◆センバツへの意気込みを。

 県の推薦校に選んでいただいた時から、選手には謙虚でいてほしいと思っています。今回の出場は自分らのおかげだと思ってもらっては困る。学校の歴史、野球部以外の生徒たちの頑張りがあったからこそ甲子園でプレーさせてもらえるんだと。その前提で、まず1勝。120周年を甲子園での初勝利で飾って、恩返しとしたいです。


 ■人物略歴

うえしな・みつお

 1969年生まれ、京都市出身。88年3月に膳所高を卒業後、早稲田大に進学した。97年4月、県立高教諭(保健体育科)に。八日市南高野球部のコーチや監督、膳所高の野球部長を経て、2009年8月から膳所高の監督。

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