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第103回全国高校野球選手権

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若竹たちの挑戦

2018センバツ乙訓 支える人々/5 最高の裏方3年生 /京都

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雪が降る中、乙訓投手陣の守備練習を手伝う辻本颯人さん(右)=京都府長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影 拡大
雪が降る中、乙訓投手陣の守備練習を手伝う辻本颯人さん(右)=京都府長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 センバツに向けた乙訓の練習に、少しだけ大人びて落ち着いた雰囲気の部員が交じっている。昨夏に引退した3年生たちだ。

 大学受験を終え進路が決まった3年生が、現役部員と一緒に練習するのは、乙訓野球部では毎年恒例の光景だ。2月中旬までは推薦入試組だけだが、下旬になると一般入試で合格した3年生も加わり、大所帯の野球部の活気が増してくる。

 もちろん主役は1、2年生なので、練習のサポート役に回ったり、グラウンドの隅で自主練習に励むことが多い。それでも、はつらつとした後輩たちの動きに感化され、一緒にシートノックに入って練習着を黒くする姿も目に付く。

練習後、後輩たちと談笑する乙訓3年生の赤井孝守さん(左端)と辻本颯人さん(左から2人目)=京都府長岡京市で、礒野健一撮影 拡大
練習後、後輩たちと談笑する乙訓3年生の赤井孝守さん(左端)と辻本颯人さん(左から2人目)=京都府長岡京市で、礒野健一撮影

 投手だった赤井孝守さん(18)は、関西学院大への進学が決まった昨年12月から、ほぼ毎日練習に参加している。大学でも野球を続けるため、後輩たちと一緒に大きな声で白球を追う。「元気の良さが乙訓らしさ。負けてられない」と笑顔を見せる。

 一塁手だった辻本颯人(はやて)さん(17)も同じ頃から練習に来ている。ノッカーやティー打撃の球出しなど裏方役を進んで務め、「将来はスポーツで町を活性化させる活動をしたい。まずはセンバツへと突き進む後輩たちを後押ししたい」と話す。

 昨夏の京都大会。乙訓は東山との初戦で2-7で敗れた。今の主力選手の多くが試合に出場し、3年生の多くはベンチ外からの応援役に徹していた。そんな3年生の悔し涙を見て、奮い立たない後輩はいない。「絶対強くなってみせる」と夏の猛練習を乗り越えた。

 染田賢作部長(35)は「3年生には、他人のために力を尽くせる『最高の裏方』になれる人間が多い。そんな先輩がいたから1、2年生は伸び伸びと野球ができ、秋の快進撃につながったのかもしれない」と評価する。工藤裕貴選手(2年)は「自分たちが野球をやりやすいよう、いつも気遣ってくれた。大きく温かい存在で、もっと一緒に野球がしたかった」と感謝する。

 右翼手だった北真也さん(18)は「良い意味で上下関係が希薄なので、全部員が一緒に戦う集団になれるのが乙訓の強み。ウオーミングアップ時に皆で声を出す目標『甲子園ベスト8』を実現できる強さはある」と期待した。【礒野健一】=つづく

〔京都版〕

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