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第94回センバツ高校野球

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英明再び

野球部の歴史/下 創部10年初めての「春」 2015年、大曲工に初戦で敗退 /香川

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初出場したセンバツの開会式で入場行進する英明の選手たち=阪神甲子園球場で2015年3月21日、藤井達也撮影
初出場したセンバツの開会式で入場行進する英明の選手たち=阪神甲子園球場で2015年3月21日、藤井達也撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 2005年に始動した英明の野球部。10、11年と2年連続で夏の甲子園に出場し、県内の大会では常に優勝候補に挙げられる強豪校へと成長した。

 ただ、センバツへの道のりは遠かった。12、13年は連続で秋の四国大会に出場したが、いずれも準々決勝で敗れた。香川智彦監督は「本当にあと一歩という感じがした。苦しかった」と振り返る。

 そのチャンスをつかんだのは翌14年。「大会前、センバツへ行ける実力があるとは思わなかった」と当時の主将、冨田勝貴さん(20)は語る。それでも田中寛大、中西幸汰投手の両左腕を擁し、2年ぶりに秋の県大会を制覇。3年連続で四国大会へ進んだ。

 四国大会は初戦で鳴門(徳島)、準決勝で高知(高知)といずれも強豪校をコールドで破った。決勝では今治西(愛媛)に先制を許したが、終盤に粘って逆転勝ち。初のセンバツをぐっと引き寄せた。冨田さんは「県大会で苦しい試合を乗り越え、チームは勢いづいた。試合を重ねるたびに強くなっていくのを感じた」と思い返す。

 そして迎えた15年のセンバツ。英明ナインは憧れの舞台に立った。初戦の大曲工(秋田)に対する事前分析では「力はうちの方が上」とされ、冨田さんも「相手のビデオを見ていけると思った」。エースの田中さんも「四国大会を制覇し、冬の練習でも力を付けた。勝ち上がれる自信があった」と話す。

 初回、英明は2死走者なしから連打であっさりと先制。ベンチには「このままどんどん点を取れる」というムードが流れた。冨田さんも「相手投手のボールは速くなく、いつでも打てる」。先発した田中さんは三回まで1人の走者も許さず、五回まで無失点の好投。英明ペースで試合が進んだが、二回以降は好機を作るがなかなか追加点が取れない。

 「だんだん相手に流れが行っている」。そんなナインの予感は的中した。六回、七回に2点ずつを取られて逆転を許す。打線も相手投手の緩いボールにタイミングが合わず、結局、初回の1点だけで初戦敗退を喫した。

 冨田さんは「甲子園での試合はあっという間に終わった。その時は悔しさよりもただぼうぜんとした」。田中さんも「本来の投球ができなかった。チームのみんなに申し訳なかった」と今でも悔しさが募る。

   ◇

 香川勢はセンバツでこれまで優勝3回を誇る。第1回、第32回大会を制した高松商、初出場で初優勝に輝いた第67回大会の観音寺中央だ。2年前の第88回大会でも高松商が快進撃を見せて準優勝している。

 そんな野球王国・香川の完全復活をかけ、英明はセンバツに臨む。

 冨田さんは後輩に言葉を贈る。「今のチームを最初に見たとき、まさか甲子園に行くとは思っていなかった。僕たちと同じように大会で勝つたび、強くなっていったのだと思う。決して油断せず、甲子園で本来の力を発揮してほしい」。千原凌平主将(2年)は引き締まった表情で決意を語る。「まずは目の前の一戦に集中。それをセンバツ初勝利につなげたい」【潟見雄大】

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