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第93回センバツ高校野球

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’18センバツ創成館 第1部 創成館野球/6 寮で育む一体感 /長崎

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練習後、寮に併設された食堂で食事する選手たち 拡大
練習後、寮に併設された食堂で食事する選手たち

 <第90回記念選抜高校野球>

 創成館の敷地にある野球部専用寮「若竹寮」。夜、共同浴場には選手たちの笑い声が響く。厳しい練習を終えた選手たちの夜の楽しみは入浴の時間だ。寮で暮らす稙田(わさだ)龍生監督(53)やコーチ陣も一緒に入り、選手たちと会話を交わす。指導者と選手、先輩と後輩。寮でのコミュニケーションがチームの一体感を生む。

 若竹寮では、77人の男子部員のうち74人が暮らす。寝起きするのは、1~3年生混合の4人部屋。現在はほとんどの3年生が卒業を前に退寮し、やや寂しいが、春にはまた新入部員が大挙して寮に入る予定だ。朝は午前6時過ぎから、夜は午後11時の消灯まで素振りなどの自主練習に取り組む選手の姿がある。まさに“野球漬け”の日々だ。

 1年生にとって、グラウンドを離れた場でも野球に打ち込む先輩の姿は「お手本」にもなる。消灯時間まで素振りを続けていた松浪基(もとき)選手(2年)は新チームでレギュラーの座をつかんだ。控えの捕手、右近大志選手(1年)は、正捕手の平松大輝選手(2年)が寮で毎日書き込んでいる練習ノートを見せてもらった。「捕手としての心得や配球がびっしりと書き込まれていて、すごいと思った」

 選手たちは寮に併設された食堂で毎日3食、栄養バランスに気を配った食事をとる。寮監は3人のコーチが交代で務め、選手たちの面倒を見る。急病が出れば、夜中に選手たちを病院に連れて行くことも。松本真一コーチ(46)は「まるで自分の子供のようです」と語る。

 稙田監督は2008年の監督就任以降、家族を福岡に残し、寮で暮らす。「毎日が合宿みたいなもんですよ」と笑う。稙田監督は「日常生活の成長がプレーにも反映される」との思いで、寮でも礼儀や整理整頓を厳しく指導してきた。一方で、浴場や廊下、時には自身の部屋に呼んで、選手からの相談にも乗る。「グラウンドとは違う表情も見えて、かわいいもんです」

 以前は社会人野球のチームで監督を務めていたが、今、面倒を見るのは成長途上の高校生。かける言葉にも気を遣う。「私の一言で人生が変わってしまうかもしれない」。昨年には心理カウンセラーの資格も取得した。

 寝食をともにし、信頼関係を築いてきた選手たちと監督、コーチ。その一体感がチームの底力につながる。=つづく

〔長崎版〕

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