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メディア時評

使い勝手のいい記事を=高崎順子・ライター

 筆者はフランスの制度や法令を調べることが多い。と書くと大仰だが、かの国の新聞記事では法令番号や通知日が明記され、原典に当たるのは困難ではない。デジタル版には通知・法令へのリンクも張られている。

 その習慣から日本の新聞を見ると、どうも使い勝手が悪い。まず政府発表の通知や法令に、正式名称や通知日の記載がない。そして同じ通知でも、新聞により報道時期が異なる。例えば昨年12月21日発表、厚生労働省の待機児童対策関連通知「『子育て安心プラン』の実施方針について」の毎日新聞デジタル版の報道は1月7日。日経新聞同は同4日、朝日新聞同は昨年12月31日などで、3紙とも通知名の記載はなかった。

 この情報不備の背景には、読者が記事を「使う」ことを想定しない、新聞サイドの姿勢があると私は感じる。新聞記事は読み流すだけではない、資料の役割があるはずだ。紙版はスペースが限られており、情報の絞り込みが必要なのは分かる。だが現在はどの新聞にもデジタル版が存在し、そこで紙版の掲載情報を補完することができる。紙版のコピーを超えた、デジタル版の効果的な運用を進めてほしい。

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