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もう一度食べたい

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発酵滋養飲料「みき」 ヨーグルトのような奄美の味

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大鍋で発酵のときを待つ「みき」=鹿児島県龍郷町の高野食品で
大鍋で発酵のときを待つ「みき」=鹿児島県龍郷町の高野食品で

 舌の記憶は、ときを経てなぜか鮮明になる。奄美大島(鹿児島県)出身の神奈川県鎌倉市の書道家、結城大二郎さん(71)にとって、それは奄美特有の飲み物「みき」であるらしい。「子どものころ、よく母が作ってくれた牛乳かカルピスのような白い飲み物です」。メールには「(島では手に入りますが)腐りやすいのか、内地(本土)には出ていません」とも書かれてあった。かすんだ思い出の奥から、にじみ出るような故郷の味である。

 「みき」とは、どんな飲み物なのか。奄美の郷土料理を紹介する「新版シマ ヌ ジュウリ-奄美の食べものと料理法-」(藤井つゆ著、南方新社刊)によると、米の粉に砂糖とサツマイモの汁を少し加えて作る発酵滋養飲料。日がたつにつれ酸味を増し、アルコール分も強くなる--とある。麹(こうじ)を加えない「甘酒」とでも言ったらよいのだろう。

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