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『シベリウス』=神部智・著

 (音楽之友社・2484円)

 空前の北欧ブームである。センター試験にはビッケやムーミンが登場し、デンマークは「世界一幸せな国」とあこがれの的。シベリウス(1865~1957年)は、そんなスカンディナビアの地が生んだ巨匠だ。意外にも、生涯と作品をコンパクトに紹介した書籍は少なく、没後60年を機に、「作曲家◎人と作品」シリーズに加えられたのは喜ばしい。

 「自分の正確な姿、客観的な自画像を描き出すことは不可能に近い」。こうつづったシベリウス。「フィンランドの作曲家」とされるが、スウェーデン語を使う少数派に生まれ、「混濁した出自」に葛藤した。フィンランド語の民族叙事詩『カレワラ』に想を得た「クレルヴォ」を封印する一方、愛国心を高揚する「フィンランディア」を世に問うた。

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