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井波律子・評 『バテレンの世紀』=渡辺京二・著

 (新潮社・3456円)

西洋とのファースト・コンタクト

 一八五三年、ペリーが日本に来航したとき、日本中が深甚な衝撃を受け動揺した。遡(さかのぼ)ってみれば、実はこれは日本と西洋の二度目の遭遇(セカンド・コンタクト)であり、この三百年前、最初の遭遇(ファースト・コンタクト)があった。本書は、『逝きし世の面影』『黒船前夜』等々の著作において、日本の歴史を新たな角度から照射した著者が、一五四九年、ポルトガル系イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエル一行が鹿児島に到着した時点から、十七世紀前半のキリシタン禁教令、鎖国へ至るまでの約一世紀にわたる、日本と西洋のファースト・コンタクトの諸相を詳細にたどったキリシタン通史である。膨大な文献を読みこなして著されたこのキリシタン通史は、埋もれた歴史の脈絡を掘り起こした労作にほかならない。なお、本書は序章と終章を合わせ、全二十九章から成る。

 最初に日本に来訪したザビエルは鹿児島から平戸、山口を経て、京都に向かうが、京都が無政府状態だったため、なすすべもなく、まもなく帰国した。これ以後、イエズス会の宣教師、および彼らに連動したポルトガルの貿易船が続々と、キリシタンに好意的な大友宗麟の支配する豊後、さらには平戸や長崎にやって来た。イエズス会の戦略はまず権力者と関係を深め、家臣、庶民へと布教の輪を広げてゆくものだったが、当時、九州には大小…

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