メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

私の出発点

島田雅彦さん『僕は模造人間』 個性不在、文学を解体

 それでも童貞の処刑は目前だった。しかし、僕が今にも歓声をあげそうなバベルの塔にコンドームをつけようとする時……僕をからかうアトラクションボーイの亜久間一人が突然、巨大なコンドームとなって僕をおおい隠そうとした。写真ではない実物の真弓がそこにいるというのに亜久間一人は……(『島田雅彦芥川賞落選作全集 下』河出文庫より)

 東京・新宿のバー「風花」を訪ねた。ここは戦後生まれの作家の旗手だった中上健次(1946~92年)が行きつけだった店。故郷の和歌山・新宮を舞台として複雑な血族の愛憎を物語にし続けたが46歳で早世した。中心を失った文壇を支えてきたのが、中上を畏怖(いふ)しつつも薫陶を受けた島田雅彦さんだ。その初期作品の一つが「僕は模造人間」である。発表時23歳。「青二才が何も分からずに書いた、と軽く見られたものです…

この記事は有料記事です。

残り1632文字(全文1992文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 男子は九州学院、女子は千原台が優勝 高校駅伝・熊本予選

  2. 逗子崩落・女子高生死亡 事故前日に亀裂発見 マンション管理会社、行政に伝えず

  3. ORICON NEWS 金田朋子「娘が笑えば何でもよい」子育て動画が88万再生 ポジティブを"貫く"子育て論

  4. ORICON NEWS 『アイマス』声優・大坪由佳が結婚報告 お相手は29歳の一般男性

  5. #排除する政治~学術会議問題を考える 気に入らない生徒を廊下に立たせる先生でよいか 作家・あさのあつこさん

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです