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島田雅彦さん『僕は模造人間』 個性不在、文学を解体

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 それでも童貞の処刑は目前だった。しかし、僕が今にも歓声をあげそうなバベルの塔にコンドームをつけようとする時……僕をからかうアトラクションボーイの亜久間一人が突然、巨大なコンドームとなって僕をおおい隠そうとした。写真ではない実物の真弓がそこにいるというのに亜久間一人は……(『島田雅彦芥川賞落選作全集 下』河出文庫より)

 東京・新宿のバー「風花」を訪ねた。ここは戦後生まれの作家の旗手だった中上健次(1946~92年)が行きつけだった店。故郷の和歌山・新宮を舞台として複雑な血族の愛憎を物語にし続けたが46歳で早世した。中心を失った文壇を支えてきたのが、中上を畏怖(いふ)しつつも薫陶を受けた島田雅彦さんだ。その初期作品の一つが「僕は模造人間」である。発表時23歳。「青二才が何も分からずに書いた、と軽く見られたものです…

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