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第103回全国高校野球選手権

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センバツ・瀬戸内 戦力分析/下 守備 堅実に基本動作徹底 /広島

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ノックを受ける瀬戸内の選手たち=広島市東区山根東5の練習グラウンドで、小山美砂撮影 拡大
ノックを受ける瀬戸内の選手たち=広島市東区山根東5の練習グラウンドで、小山美砂撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 昨年10月の県大会三回戦。瀬戸内が計3失点して迎えた五回の相手の攻撃で、二死2塁から5番打者が三遊間に鋭く強いゴロを放った。三塁の伊藤将太郎選手(2年)が左方向に頭から滑り込んだが間に合わない。「まずい、抜ける」。しかし、直後にショートの新保利於選手(同)が走って追いつき、一塁でアウトにして追加点を防いだ。新保選手は「打球が飛んだ瞬間に体が動き、カバーできた。攻撃をしのいだことで、流れをこちらに引き寄せられた」と振り返る。その後も全員がミスなく守り、試合の主導権を握った瀬戸内は、八回に逆転。失策ゼロで勝ち上がった。

 長谷川義法監督(49)は「堅実な守備が攻撃のリズムを作る。瀬戸内の軸は守備だ」と話し、この試合を「瀬戸内らしい野球ができた」と分析する。

 堅い守備は、新チーム以降の練習のたまものだ。ノックでは、打球に対して野手全員で反応するよう取り組んできた。二塁手が正面から捕れる当たりでも、中堅手、右翼手はカバーできるよう前に出る。内野手の送球がそれた時に対応する狙いもある。長谷川監督は「外野手がバックアップすることで内野手が思い切って送球できる」と強調する。

 センバツ出場が決定した1月下旬から約1カ月間は、送球なしでボールを捕るだけのノックを実施。捕球の姿勢や、ボールがグラブに入るまで見るという基本動作を徹底するためだ。

 長谷川監督は練習中のミスも見逃さない。ベンチ入りメンバーが決定した今月下旬、選手がボールに追いつきながら取りこぼすミスを3回繰り返した。選手は「もう1本お願いします」と頼んだが、長谷川監督は「試合ではやり直しがきかない。1球に対する集中力を養いたい」と耳を貸さず、それ以上ノックを打たなかった。最近は実際の試合を想定したノックも取り入れるようになり、グラウンドには緊張感が張り詰めている。長谷川監督は「ミスを限りなく減らし、最少失点で抑える。焦らず、ゆっくり守って主導権を握る」と力を込める。

 選手たちにも「守りから試合をつくる」という考えが浸透している。午後7時半以降の自主練習では、まずノックを受けてから素振りをするなど、守備練習を優先する選手が多い。居残ってノックを受けていた山本翔太選手(2年)は「新チームになってから全員で守ろうという意識が強くなった。もっと堅い守備を目指したい」と意欲を語った。【小山美砂】

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