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第94回センバツ高校野球

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強者に勝て

’18センバツ下関国際 第2部/3 保護者と監督の橋渡し /山口

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選手たちを常に温かく見守る林さん 拡大
選手たちを常に温かく見守る林さん

 <第90回記念選抜高校野球>

 「練習場に顔を出すとあいさつするため選手たちはプレーを止めてしまう。だからいつもここから見ています」。野球部後援会長の林禎夫(よしお)さん(51)は週に1、2回、選手たちに気付かれないよう校庭の高台から練習を見守る。

 自身も野球部OB。入部当時は「説教」の名の下に上級生が後輩へ振るう暴力が横行していたが「野球に先輩後輩は関係ない」と主張してやめさせた。公式戦では一度も勝てなかったが「純粋に野球を楽しみたい」と、3年間懸命にボールを追った。

 卒業後、千葉県の会社を経て地元で就職した。10年ほど前、当時の会社の同僚から「下関国際の野球が面白いらしい」と耳にした。2005年に坂原秀尚監督(41)が就任した後のこと。試合を見に行くと、ウオームアップに内野6人が投げ合う「ボール回し」で、使う球が以前の一つから三つに増えている。「こいつら、すごいな」。あいさつや道具を大切にする姿勢も新鮮で「取り組み方がこれまでと全く違う」と感じた。

 12年に長男が入部すると、厳しいと聞いていた監督の指導はうわさ通りだったが、すぐに「自分に一番厳しい人だ」と分かった。長男が最上級生の時は保護者会長、引退後は後援会長となった。

 その当時、後援会はあまり機能しておらず「最初は何をどうしていいか分からなかった」が、考えた末の役割は「保護者と監督の橋渡し」だった。

 毎年、入部を希望する生徒の保護者には、説明会などで「選手との試合後の記念撮影禁止」など、部員を野球に集中させるためのルールを伝える。嫌がられる役回りだが、守らない保護者がいればためらわず指摘する。

 トレーニング用具が不足していると聞き、保護者会費でステンレス製パイプを買い、造船の足場関係の会社経営で培った技術を生かして、後援会メンバーらで打撃練習用ネットやうんていを手作りしたこともある。保護者会長の品川義人さん(47)は「保護者の間で怖がられているけど、頼りになる」と話す。

 平日であっても、公式戦は必ず応援に行く。「試合のない時期にめちゃくちゃ働いているから」(林さん)社員も納得の上だ。「しっかり勝つことで恩返ししたい」と鶴田克樹投手(2年)らナイン。初のセンバツに向け、厳しい練習に打ち込む選手たちに期待することは一つだ。「強いと言われているところにガブッといってほしい」

〔山口版〕

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