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LGBT

手話でも差別的な表現使わずに 支援の冊子作り

2014年に発行した「ろうLGBTサポートブック」の初版=2018年2月21日午後0時40分、藤沢美由紀撮影
性的少数者への理解者・支援者を意味する「アライ」を手話で示す「デフLGBTQセンター」の山本さん=本人提供
性的少数者への理解者・支援者を意味する「アライ」を手話で示す山本さん=本人提供

 手話でも性的少数者に差別的な言葉は使わないで--。耳の聞こえない「ろう」の性的少数者のため、正しい知識に基づいた手話などを紹介する冊子「ろうLGBTサポートブック」のリニューアルを、支援団体が進めている。手話を使うろう者の間では、いまだに差別的な表現が残っており、理解を深めることで当事者の孤立を防ぎたいという。

 冊子を発行するのは、当事者支援団体「Deaf(デフ)LGBTQセンター」。代表の山本芙由美(ふゆみ)さん(36)=大阪市=は自身もろう者で、恋愛対象の性別は問わない。

 きっかけになる出来事が2011年にあった。後に夫になる諒(まこと)さん(38)は、ろうでトランスジェンダーだが、女性から男性への戸籍上の性別変更を家庭裁判所に申し立てた時、派遣された手話通訳者に性自認を差別的な言い回しで説明され、憤りを感じたという。

 山本さんによると、手話辞典には性的少数者に関する表現がほとんどない。そのため「ホモ」「おかま」など、今のようにLGBTなどへの知識や人権意識が広がる以前の言葉が使われているのが実態という。文章の読解が苦手なろう者も多く、そうした人には最新の情報も入りにくい。

 14年に発行した最初のサポートブックでは、L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)それぞれの手話での表し方▽使われると嫌な手話表現▽Q&A▽相談機関の一覧--などをまとめた。山本さんはその後、米国へ留学。二重のマイノリティーであるろうの性的少数者が、LGBTらの集まりで歓迎されている環境に触れ「日本もこうなれば」と強く願ったという。

 改訂版は資金をインターネットを使ったクラウドファンディングで集め、内容を一新して16ページから24ページに増量。写真付きで紹介する手話表現も2倍以上の約30種類に増やし、「Xジェンダー」(男女の枠にとらわれない性自認の人)、「アライ」(性的少数者を理解・支援する人)などを加える。手話通訳者へのインタビュー記事なども掲載する予定だ。

 山本さんは「生きづらさから自ら命を絶った友人もおり、正しい手話を広めることは当事者の命を救うことにつながる。さまざまな立場の人に届けて理解を広げたい」と語る。

 冊子は行政機関や教育施設のほか、希望者にも無料配布する。問合せは同センターのウェブサイト(https://deaf-lgbt-center.jimdo.com)。【藤沢美由紀】

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