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文芸時評

2月 震災7年 浮かぶ破局後の歪み=田中和生

福島泰樹氏

 東日本大震災が起きて、もうすぐ丸七年になる。『三田文学』冬季号の特集「破局から…」は、震災のみならず明治維新や敗戦も含めて破局ととらえ、多角的に破局後の日本に迫っている。評論だけでなく、詩や小説からも立体的に震災後の日本の現実や問題が浮かび上がり印象深いが、短歌絶叫コンサートで知られる福島泰樹の評論「ホロコーストの歌--『記憶の物証』をめぐって」が、破局後に必要な短歌の役割について「記憶になかったことも歴史のうちである」「死者は死んではいない」と断言していて、非常に力強い。

 戦争や震災のような破局は死者や被害者を生み、しかも彼らをしばしば見えない存在にしてしまう。それは「死者」や「被害者」について、戦後や震災後に語られないということではない。むしろ「死者」や「被害者」として語られることによって、彼らがそうではない生者と変わらない存在だったということが「見えなく」なるのである。だから「記憶になかったこと」も自分のものとして「死んではいない」死者や被害者について語るのは…

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