壮大なファンタジー作品「ゲド戦記」(全6巻)の作者、アーシュラ・K・ル・グウィンさんが先月、88歳で亡くなった。作品を日本語に訳した清水真砂子さんに、ル・グウィンさんの人柄や翻訳について聞いた。【聞き手・坂根真理】
彼女に実際に会ったのは、「ゲド戦記」を全て訳し終えた2003年の夏です。米国オレゴン州ポートランドに彼女は住んでいました。お会いして最初に黙って案内してくれたのは戦時中の日系人の収容所跡でした。市民としての誠実さを見る思いがしました。
会う前から親交はあったんです。1992年の夏かな、ル・グウィンは英オックスフォード大で講演をしました。「ゲド戦記」第4巻に対する、主として米国内での批判に答えた形のスピーチだったのですが、私は不満を感じて手紙を書きました。「あなたの作品はそうした批判を凌駕(りょうが)する豊かさをもっているのに」って。生意気ですよね。でもね、それからエージェントを通さず、直接手紙をやり取りするようになり、血の通っ…
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