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我らが少女A

/206 第6章 14=高村薫 多田和博・挿画監修

 日曜の朝、食卓でトーストにバターを塗りながら、君、歯ぎしりってしたっけ、夫の亨が言う。ごめんなさい、寝られなかった? いや、珍しいなと思っただけ。それだけの何ということもないやり取りだったが、なめらかな皮膚に生じた小さなささくれのように感じられて、真弓はちょっと怯(おび)える。この人は夜中に妻の顔を見ているんだ--そう思うと、ふいにぞっとし、そんな感覚にとらわれた自分にやるせない違和感を覚える。

 なにがしかの負の感情は、見えない磁力線で次々に同類を呼び集めるのかもしれない。その同じ食卓で自分の…

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