演劇

「岸 リトラル」 心震える魂の遍歴=評・濱田元子

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 おそろしくぶっ飛んだ物語に、しかし幾たびも心が震える。レバノン出身のワジディ・ムワワドが描く父と子の魂の遍歴を、演出の上村聡史が演劇というアナログなメディアならではの体温で大胆に体現。深いところに届く。藤井慎太郎訳。

 同じ世田谷パブリックシアター制作で2014年初演の「炎アンサンディ」を含むムワワドの「約束の血」4部作の第1作。

 物語の始まりは、虚無的な生活を送る青年ウィルフリード(亀田佳明)が受けた、疎遠だった父イスマイル(岡本健一)の死を知らせる電話。母と同じ墓に埋葬することを親族に反対され、父の死体とともに内戦の傷痕が残る祖国へ向かう。

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