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第94回センバツ高校野球

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’18センバツ下関国際 第2部/5止 用具への要求、全力対応 /山口

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選手たちから信頼が厚い高瀬さん 拡大
選手たちから信頼が厚い高瀬さん

 <第90回記念選抜高校野球>

 センバツの晴れ舞台に向け、厳しい練習に耐えるのは下関国際ナインだけではない。

 動きやすさを保ちつつ、冬場に寒さから身を守るウエアや、選手一人一人が1日2000回振る重く、長い竹製バットは、坂原秀尚監督(41)の高い要求に応えるため、周南市のスポーツ用品店「周南スポーツ」社長の高瀬英明さん(39)が用意した。

 高瀬さんのモットーは「頼まれごとは試されごと」。野球用具に関するどんな頼みも自分の経験と捉え、正面から向き合ってきた。「難しい頼みでも、何とかしようと考えて動いてくれる」。坂原監督も絶大な信頼を置く。

 周南市に生まれ、小学2年生の時に父と兄の影響で野球を始めた。地元の富田中、南陽工を経て、広島国際学院大(広島市)へ。捕手として頭角を現し、学院大では2歳年上で当時ピッチャーの坂原監督とバッテリーを組んだ経験もある。

 大学卒業後、目指していた社会人野球を諦め、地元のスポーツ用品店に就職したが、店は2006年12月に廃業。今後に思いを巡らせていたその翌日、店の客だった少年野球の保護者から携帯電話に着信があった。「ボールが欲しいんですけど」。いても立ってもいられず、隣町まで買いに行って家まで届けて言った。「また何かあったら言ってください」

 誠実な仕事ぶりから、その後もかつての客から用具や少年野球の記念品の注文が続き、07年1月、自ら野球中心に展開する周南スポーツを開店した。

 下関国際との縁が深まったのも、打撃力強化のため、トレーニングに使う長くて重いバットを探していた坂原監督からの「頼まれごと」がきっかけ。先輩の依頼に応えようと探し回った。メーカーと相談し調達した3本の金属バットは重く耐久性が高く、マシンバッティングなどで酷使する選手たちのスイングにも耐えて下関国際の成長を支えた。その3本のバットも今は、全て竹バットに代替わりした。

 用具の搬入やメンテナンスのため、学校に足を運ぶ時は、監督やコーチとは違う立場から選手たちに声をかける。周南市育ちで旧知の吉村英也選手(2年)は「叱られた時の立ち直り方とか、気持ちの面でもアドバイスをもらえる」と話す。センバツ本番はチームに帯同する高瀬さん。「県内の子供たちが憧れる活躍をしてほしい」と目を細めた。=第2部おわり

(この連載は佐藤緑平が担当しました)

〔山口版〕

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