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第94回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

開会式司会者に第一高3年、成松さん 高校生活の集大成 球児の気持ち高める進行を /熊本

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「今までお世話になった人たちへの感謝を込めて司会をしたい」と意気込む成松さん 拡大
「今までお世話になった人たちへの感謝を込めて司会をしたい」と意気込む成松さん

 23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)で、熊本市中央区の県立第一高3年、成松海悠(みゆ)さん(18)が開会式の司会者に選ばれた。昨春のセンバツ閉会式も司会を務め、成松さんは「試合に挑む球児たちの気持ちを高める司会進行をしたい」と2年連続の大舞台に意気込んでいる。【清水晃平】

 「小さい頃から話すことが好きで、中学の職場体験ではラジオ局を希望しました」。八代第四中では女子バレー部に所属し、生徒会長も務めるなど忙しい毎日。高校入学後は「やりたいことをやろう」と放送部の門をたたいた。第一高を選んだのは放送部OGで2015年のセンバツ開会式で司会をした熊本学園大3年の本田徳子さん(21)への憧れから。中学3年だった成松さんは第一高の体験入学の日、本田さんが「高校放送部の甲子園」と呼ばれるNHK杯アナウンス部門で全国優勝したことを知り、その堂々とした態度や透き通った声に憧れた。

 2年生の時、NHK杯と並ぶ「九州高校放送コンテスト」の九州大会で優勝し、NHK杯のアナウンス部門は全国3位に輝いた。しかし3年生の時は「挑戦していない部門で一から始めて悔いなく終わりたい」とNHK杯は朗読部門に変更。題材に選んだのは「チア男子!!」(朝井リョウ著、集英社)で、男子生徒が高校陸上部を辞めた日を回想する場面だった。成松さんも2年生の秋から春にかけて体調を崩して登校できない日々を経験。過去に励まされた「苦悩することを忘れず、歓喜を勝ち得なさい」という一節を情感込めて朗読し、悲願の全国優勝を果たした。

 「無為自然」。放送部の部室には成松さんの1学年上の先輩4人が始めたという書き初め25枚が並ぶ。作為のないことを表す老子の言葉は放送部顧問の江島秀明教諭(48)が5年ほど前から掲げる部のスローガン。「雑念があると本当の読みはできない。大会には勝ち負けがあるが、勝ちにこだわらずに自然体で臨んでほしい」。成松さんは出場した過去の大会でも原稿の裏に「無為自然」と書き込み、気持ちを落ち着かせてきた。

 卒業後は「幅広い表現に触れたい」と関西の芸術大短期大学部に進み、演技やナレーション技術に磨きをかける。中学時代からの夢は「大河ドラマのナレーション」と「甲子園開会式の司会」の二つ。成松さんは「体調を崩したり、思い通りの読みができなかったりして悩んでいる時に支えてくれた先生や友達に感謝して高校生活の集大成にしたい」と力を込めた。センバツの開幕まで3週間余り。描いた夢の一つがもうすぐかなう。

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