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第94回センバツ高校野球

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逆襲の花巻東

’18センバツ 負けないチームへ/上 伝統の機動力磨く 「つなぐ野球」に活路 /岩手

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練習の合間に自主的に犠打練習に取り組む谷直哉選手(2年)=東京都多摩市の国士舘大学グラウンドで 拡大
練習の合間に自主的に犠打練習に取り組む谷直哉選手(2年)=東京都多摩市の国士舘大学グラウンドで

 <第90回記念選抜高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する花巻東は、チームテーマに「繋(つなぐ)~逆襲の花巻東~」を掲げる。23日の開幕に向け「負けないチーム」へと成長を続ける選手たちを追った。【三瓶杜萌】

 スタンドへのあいさつを終えると、花巻東ナインは泣き崩れた。夏の甲子園を目指した昨年7月の県大会3回戦。強力との前評判だった打線が盛岡中央の2年生左腕に120キロ台の直球で手玉に取られ、チームは0-1で敗れた。初戦で涙をのんだ一昨年夏に続く屈辱的な敗戦が、花巻東の「逆襲」の原点だ。

 「どれだけ負けていても、最後に相手より1点多く取る。伝統のプレースタイルに立ち返ろう」。現チームの結成時、佐々木洋監督(42)はこう呼びかけた。メンバーのうち、昨夏の大会でベンチ入りできたのは野手2人と投手3人。長打力のある選手も少なかった。機動力を生かし、小刻みに加点する「つなぐ野球」に活路を見いだすしかなかった。

 昨秋の公式戦10試合は43犠打飛、15盗塁。突出した数字ではないが、終盤までもつれ込む接戦で効果を発揮した。象徴的な試合が、東北大会3回戦の由利工(秋田)戦だ。2点を追う七回、1死一塁から内野安打やスクイズなどで4点を挙げ、一気に逆転。出塁した4、5番打者が続けて二盗を決めるなど機動力野球の浸透ぶりをうかがわせた。二回に先制されて以降、先発・西舘勇陽投手(1年)の安定した投球と堅い守りで流れを渡さずにつかんだ勝利。佐々木監督は「チームの成長を感じられた」と確かな手応えをつかんだ。

 花巻東の機動力を支えるのは、選手一人一人が自ら考え工夫した練習だ。守備の要の谷直哉選手(2年)は、打撃練習の順番待ち時間と、試合でミスした日や土日にバント練習に取り組む。昨秋の公式戦はチーム1位の7犠打をマーク。陰にはベンチ入りした昨夏の県大会でバントを失敗した悔しさがあった。

 走塁も同じだ。高校通算21本塁打とチーム一の長打力を誇る紺野留斗選手(2年)は、走力を高めようと、陸上部の顧問に指導を受けたり、トップレベルの短距離選手の動画を見たりしてフォームを改善した。昨秋の県大会準々決勝・盛岡工戦では1点を追う九回、二塁走者として中前打から積極的な走塁を見せ、サヨナラのホームを踏んだ。

 花巻東は、昨秋の県大会と東北大会で勝利した7試合中5試合が2点差以内の勝利だった。そのうち3試合は逆転勝ちと勝負強さが光った。だが東北大会決勝は「勝ちに対する執念の甘さ」(佐々木監督)が出て、聖光学院(福島)に敗れた。

 「負けないチーム」へ--。打撃陣はこの冬、機動力に加えて長打力を高めるため、ティー打撃などでバットを振りこみ、スイングスピードに磨きをかけた。投手陣は、甘い変化球を痛打された聖光戦を教訓に、変化球を安定させるための下半身強化とフォームの改善に打ち込んでいる。

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