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第103回全国高校野球選手権

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監督と注目選手/1 富島・浜田登監督 「心と技術の成長」信念に /宮崎

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練習後、選手たちに話す浜田監督 拡大
練習後、選手たちに話す浜田監督

 <第90回記念選抜高校野球>

 試合前、選手全員で球場の周りのごみ拾いをするのが富島の恒例行事だ。浜田登監督(50)は「動かないごみを拾えなければ動くボールは拾えない。試合前にも普段通りごみ拾いをすることで、心のよりどころとして自信を持てるようになる」と意義を語る。県立高の教員として都農、宮崎商野球部で監督などを務め、甲子園でも指揮した経験から常に選手に伝えているのは「心の成長がなければ、技術の成長はない」という信念だ。

 宮崎市出身。小学3年で野球を始め、宮崎商では内野、外野手として3年の夏に県大会ベスト8まで勝ち進んだ。その後八幡大(北九州市・現九州国際大)に進学し、野手や学生コーチを経験した。

 高校野球の指導者を夢見て4年の時に教員採用試験を受けたが不合格となり、宮崎市内の企業に就職した。4年後に再び採用試験に挑み合格。都農高商業科の教員となり、同時に野球の指導者としても一歩を踏み出した。その後母校の宮崎商野球部副部長を経て、2003年に監督就任。08年夏にはチームを甲子園へと導き、2回戦に進出した。

 野球部でも学校での指導でも、大切にしていることは「人づくり」。都農で人権教育を担当した経験から「人を大切にすることを学んだ。だからこそ人づくりを重視してきた」と語る。

 長年強豪を率いてきた浜田監督にとっても、13年の富島への異動はゼロからのスタートだった。野球部監督に就任したが、3年生部員はおらず、2年生5人、1年生6人。野球未経験者もおり「ボールを捕れない、バットに当たらない」(浜田監督)状況から指導が始まった。

 捕球やスイングの形を覚えるため、キャッチボールや素振りなどの基礎練習を繰り返した。それでもすぐに結果は出ず、練習試合では30点以上の差をつけられたこともあった。「選手たちは心が折れていたかもしれないが、そこで諦めたら社会に出ても苦しいことをすぐ諦めるようになる。やらないといけない」。負け続けても練習に取り組んだ。

 翌年からは、「監督の元で野球がしたい」という新入生が入部するようになり、少しずつチームが活性化。15年秋には九州大会に出場し、県内外に知られる存在になった。「日ごとに力をつけていく選手たちを見るのは楽しかった。負けた悔しさをバネにして練習を重ねた結果が出た」と振り返る。

 強豪校になってもグラウンドは他の部活と併用するなど練習環境は恵まれているとはいえないが、浜田監督は「公立校では併用が普通。効率良くやればいいだけ」と前向きにとらえる。

 自身初となるセンバツの舞台。「実践練習を中心に一日一日の積み重ねを大切にしていく。一戦必勝で試合に臨みたい」。選手たちと共に、甲子園に乗り込む。

   ◇  ◇ 

 第90回記念選抜高校野球大会に出場する富島と延岡学園は、本番へ向け本格的な調整に入っている。チームを率いる監督や、試合のカギを握る注目選手を紹介する。

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