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監督と注目選手/2 延岡学園・三浦正行監督 「自分で考え、楽しむ」指導 /宮崎

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選手の動きを見ながらノックをする三浦監督 拡大
選手の動きを見ながらノックをする三浦監督

 <第90回記念選抜高校野球>

 「ミスをしてもいい。空振りをしてもいい」。延岡学園の三浦正行監督(66)の口癖だ。選手や指導者として高校、社会人、プロ野球、海外リーグと多様な環境で野球と接した経験から「自分で考え、野球を楽しむ」ことの大切さを選手たちに伝えている。

 秋田市出身。小学生から野球を始め、中学で捕手になり秋田市立高(現県立秋田中央高)へ進学。卒業後は社会人野球の旧電電北海道で活躍した。1976年にはプロ野球大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)に入団し捕手として6年間プレー。引退後は横浜でコーチなどを務めたほか、中国のプロリーグでも指導した。

 「一番勉強になった」と振り返るのが、横浜のコーチやスコアラーとして他チームのキャンプなどを視察し、練習方法の違いを学んだ経験だ。とりわけ印象に残っているのは、勝つチームほどベテランも新人も自ら進んで多くの練習をしていたこと。「自分たちで考えながら練習をしていくことで、チームが磨かれ、強化されている」と感じた。

 昨年8月、知人を通じて、延岡学園の監督就任の打診を受けた。妻の悦子さん(63)を秋田市で1人にさせてしまうことや自らの年齢を考えると迷ったが、悦子さんに「またユニホームを着たら」と背中を押され就任を決意。単身で延岡市に移り住んだ。

 監督就任前、延岡学園の練習試合を観戦し「自分たちで考えて試合をしていない」と思えた。打席では1球ごとにベンチを見て指示を待つなど、怒られないようにすればいい、という姿勢も受け止められた。有力選手が集まり甲子園出場が期待されている重圧からか、失敗を恐れているように見えた。

 就任後、まず取り組んだのは、打撃練習を増やすことだった。「打つ楽しさを実感し、自分から練習に取り組んでほしい」(三浦監督)との思いで、ピッチングマシンなどを使用して1セット約30球を繰り返し打たせた。選手たちは「こんなに打ったことない」と言いながら、徐々にのびのびとプレーするようになった。秋の公式戦では打線がつながり、多くの試合で大量得点を挙げ、順調に勝ち上がりセンバツの切符をつかんだ。

 甲子園での勝利は大きな目標だが、もう一つ大事にしていることがある。選手の卒業後だ。「今の時期に楽しんで野球を覚えて、少しでもプロや社会人野球の夢につながれば」。そのためにもセンバツまで残り約3週間、「厳しい練習で打力、守備の技術力を伸ばし、甲子園で楽しい試合ができるようにしたい」。目を細めた先には練習に励む選手たちがいた。

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