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我らが少女A

/209 第6章 17=高村薫 多田和博・挿画監修

 わざわざ見るつもりもなかったのに、合田の二メートルほど斜め後ろを横切ったとき、たったいまその手のなかで閉じられた文庫本の濃い水色のカバーと、『青春と変態』という表題が眼(め)をかすめたことが浅井の運命を決した。思わず二度見しそうになったのを抑えて書店を出、人目につかない駅構内の片隅で、いましがた眼に入った表題をスマホで検索する。そうして三分後には会田誠という現代画家の名前を割り出していたが、元警察官の勘は、裸の少女たちが乱舞する会田某の世界が合田の趣味ではないと直ちに判断した。また、個人の趣味でないものを刑事が手に取る理由は一つしかない。その会田某の作品、もしくはその関係者や愛好者が何かの事件とつながっているということだ。

 かくして浅井もまた、<会田誠>や<青春と変態>にハッシュタグを付けてしばしSNSのサーフィンに没入…

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