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名作の現場

第36回/止 『万葉集』 案内人・酒井順子(その1)

大宰府展示館わきに開いた梅の花と酒井順子さん=福岡県太宰府市で、津村豊和撮影

 奈良時代の花といえば、桃でも桜でもなく梅。春を告げる香りが名歌を生んできた。『万葉集』の古里である梅の名所・福岡県太宰府市周辺を、酒井順子さんが歩く。

 「あをによし寧楽(なら)の京師(みやこ)は咲く花の薫(にお)ふがごとく今さかりなり」(小野老(おゆ))

 といえば、『万葉集』の中でも有名な歌。私はこの歌のことを、作者が住む奈良の都をたたえる歌だと思っていました。

 しかし、この度訪ねた福岡は大宰府政庁跡に、この歌の碑が。おや、なぜここに……?と思っていると、「大宰府万葉会」を主宰される松尾セイ子さんが「この歌は、老が、大宰府の地から奈良を思って詠んだ歌なのですよ」と、教えてくださったのです。

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