メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

名作の現場

第36回/止 『万葉集』 案内人・酒井順子(その2止)

今も多くの人々が行き交う大宰府政庁跡=福岡県太宰府市で、津村豊和撮影

 大宰府を外敵から守るためにつくられた水城(みずき)跡にも、行ってみました。高さ九メートルほどの土塁が続く様は、この時代の人たちが、外国から攻められることに抱いた恐怖心の強さを表します。転勤族たちも、ただ花を愛でたり歌を詠んだりしていただけではなかったのでしょう。

 大宰府赴任から約三年後、旅人は帰京することになります。水城まで見送りに来た人々の中には旅人が親しくしていた「娘子(おとめ)児島」がいました。妻を亡くした男性は往々にして一人で生きられないものではありますが、しかし六十五歳にして親しい女性がいたとは、旅人も隅に置けません。

 水城跡の歌碑には、児島と旅人が別れの時に詠んだ歌が記されています。旅人は大納言に出世して帰京するこ…

この記事は有料記事です。

残り1160文字(全文1478文字)

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「結局は日本経済により大きな被害」 韓国大統領警告 輸出規制問題で
  2. なぜ首相は「立憲民主党」を「民主党」と何度も同じ箇所で間違えるのか
  3. 三菱自動車岡崎の主戦・仲井 独特の投げ方武器に初登板飾る
  4. 「自分のスケート探す」 フィギュア・宇野、今季はメインコーチ不在に
  5. 参院選 後半情勢・毎日新聞総合調査 改憲、3分の2厳しく 1人区で自民防戦

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです