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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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’18センバツ由利工 チームづくり/上 選手たちの意識改革進む 「野球ノート」で意思疎通 /秋田

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渡辺義久監督から返ってきたノートを確認する部員たち=いずれも由利本荘市で 拡大
渡辺義久監督から返ってきたノートを確認する部員たち=いずれも由利本荘市で
毎週提出されるノートには、1週間の反省点や次週の目標が書き込まれている 拡大
毎週提出されるノートには、1週間の反省点や次週の目標が書き込まれている

 <第90回選抜高校野球>

監督指摘、読み返して生かす

 第90回記念選抜高校野球大会の開幕が23日に迫った。由利工(由利本荘市)が21世紀枠での初出場を決めてから1カ月余り。「甲子園で勝利して校歌を歌う」を目標に日々鍛錬を重ねる選手たち。その取り組みを2回に分けてリポートする。【川口峻】

 畑山陸翔主将(2年)は昨秋の東北大会後、危機感を抱いていた。

 同大会の準々決勝で、花巻東(岩手)と対戦した。2-4で敗れたが、甲子園常連校を相手に先制する善戦だった。

 だがそれに満足していてはチームの成長は望めない。負けには何か理由があるはずだった。「(それに気付かないまま)雪が積もる冬の間を無駄に過ごしてしまったら、『秋に好成績を出した』だけで終わってしまう」。ナインのけん引役は考えあぐねた。

 そこでまず、監督を交えず選手だけのミーティングを開いた。「勝つためには何が必要か」と皆で意見を出し合った。

 リストアップした項目は約20点に上った。「練習中は素早く移動」「道具を大切に」など部活時の注意点だけではなく、「身だしなみはいつチェックされてもいい状態を保つ」「授業中は寝ない」といった生活面を重視した項目も挙がった。一覧にすると、やるべき課題が明確になった。普段から野球と謙虚に向き合う姿勢の大切さを共有するようになった。

 次いで実行されたのが「野球ノート」の復活だった。練習内容などについての感想や意見を書き込み、監督と意思の疎通をする。これまでもノートを使用したことはあったが、続かなかった。渡辺義久監督は「殴り書きがあったりして、『やらされている感』が漂っていた」と振り返る。

 今回は選手が各自のノートを持ち、週に1度、監督に提出する。練習や生活態度の振り返り、監督への質問などを書き込む。監督は赤ペンを使い、例えばバッティングの欠点に気付いた選手には「よく気付いた」と褒めたり、「こんな練習に取り組んでみよう」と、アドバイスしたりする。

 特に冬の期間は、室内練習場や校舎内など分かれた場所での練習が多いため、すべてを監督が把握するのは難しい。渡辺監督は「ノートの充実で選手一人一人の考えが分かりやすくなった」と、効果を語る。

 小林凱斗(かいと)内野手(2年)は「練習中に聞けなかったことをノートで質問できる。アドバイスを記録として残せるので、何度も読み直して生かせる」。ゴロを捕球する際の体勢が改善された。

 選手たちの自発的な姿勢で意識改革が進んだ。渡辺監督も確かな手応えを感じている。

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