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第103回全国高校野球選手権

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監督と注目選手/3 富島 主将・エース チームの柱、頼れる存在 /宮崎

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練習で打席に立つ中川主将 拡大
練習で打席に立つ中川主将
練習で打席に立つ中川主将
■写真説明 エースの黒木将投手 拡大
練習で打席に立つ中川主将 ■写真説明 エースの黒木将投手

 <第90回記念選抜高校野球>

 練習の合間、グラウンド。富島の中川大輝主将(2年)は率先して道具の準備や片付けに取り組んでいる。「まずは自分が動く。模範となることでみんながついてくる。中学時代も主将はしていたが、高校で改めて自分の行動を見直すことができた」と話す。

 日体大野球部で明治神宮大会に出場経験がある父清治さん(48)の影響で小学1年から地域のクラブチームでソフトボールを始め、投手や外野手を経験した。小学5年の時には清治さんがチームの監督となり、親子で練習を重ねた。「他のチームメートよりも細かい指摘をされて厳しかった。怒られたけれど、真剣に向き合ってくれていると思って頑張れた」と振り返る。日向市立大王谷学園中等部でも投手として活躍した。

 清治さんは指導力を評価され富島でもコーチを務めており、「これまで共に練習をしてきた父と一緒に甲子園に行きたい」と富島への進学を決めた。

 新チームが始動した昨年7月、主将に就任。当初はチームをまとめることができずに苦心した。積極的にチームを引っ張る性格ではなく声も出せずにいると、練習の合間にだらだらと行動する仲間の姿が目立つようになった。悩んだ末に「声が出せないなら、自分が真っ先に行動しよう」と決意。練習の準備や片付けに率先して取り組み、その姿を見た他の選手たちは少しずつ見習うようになった。

 チームについては「一つにまとまっていて、勢いに乗ると止められない」と魅力を語り、「センバツでは点を取られても1点ずつ返していくことで、諦めない野球を体現したい」と意気込む。

   ◇  ◇

 エースの黒木将胤投手(2年)は、大黒柱として昨秋の公式戦で活躍。センバツ出場に大きく貢献したが、ここに来るまでは苦悩の連続だった。

 1年秋の九州大会県予選。1回戦の日向戦で先発を任されたが、初回から連続四球を与え「頭の中が真っ白になり、責任に押しつぶされそうになった」。制球が乱れ一回を持たずに途中降板。この回4失点し、チームは敗退した。

 「試合を作れないとエースにはなれない」。悔しさを胸に練習に取り組んだ。それまでは練習でつらいと感じたらすぐに諦めてしまうことが多かったが、どんなに厳しいメニューでも全力で取り組んだ。

 手応えをつかんだのは昨年8月、鹿児島実との練習試合。体格に勝る相手打線に対し変化球を低めに集めて手玉に取った。「自分の強みが出せ、自信がついた」。重圧に負けそうになっていたかつての姿ではなく、チームの柱としてぶれない姿があった。

 全国の強豪が待つ甲子園の大舞台だが、「エースとしてチームを勝利に導きたい」。甲子園のマウンドで頼れるエースとなる覚悟だ。

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