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我らが少女A

/210 第6章 18=高村薫 多田和博・挿画監修

 残暑のなかった九月が過ぎ、天候不順の肌寒い十月になる。我らが登場人物たちのある者は人生の節目を迎え、ある者は予期せぬ転機に遭遇し、ある者は身辺の変調に未(いま)だ気づいていないが、進んでゆく時間を巻き戻すことは誰にもできない。

 十月七日、adito。スマホのスケジュール帳が浅井忍に予定を知らせる。昨日の夜半から降り出した本降りの雨が明け方まで止(や)まず、この天候では子連れのママ友のランチは中止かもしれないと案じたが、空が明るくなるころには曇り空になっていて、これは天のGOサインだなと独り言(ご)ちた。

 週日のゴミ収集で爪先にまで染みついた臭いを、昨夜は風呂で念入りに洗い落とし、洗ったバッシュと洗った…

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