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読んであげて

ゆりの木荘の子どもたち/4

ゆりの木荘の子どもたち 4

 <広げよう おはなしの輪>

文(ぶん) 富安陽子(とみやす・ようこ) 絵(え) 佐竹美保(さたけ・みほ)

 さて、ゆりの木(き)荘(そう)の玄(げん)関(かん)でそんなことが起(お)こっていた頃(ころ)、テラスのベンチに座(すわ)った、ツバキさんとサクラさんの周(まわ)りでもおかしなことが起(お)きていました。サクラさんが、手(て)まり歌(うた)を歌(うた)い終(お)わった時(とき)、また大(おお)きな風(かぜ)が辺(あた)りに吹(ふ)き渡(わた)りました。風(かぜ)は裏(うら)庭(にわ)の木(き)々(ぎ)をゆらし、生(い)け垣(がき)をゆらし、地(じ)面(めん)をふちどる草(くさ)花(ばな)をゆらして、いつまでも吹(ふ)きやみませんでした。そのうち、ツバキさんとサクラさんの周(まわ)りでは、木(こ)もれ日(び)がゆれ、光(ひかり)がにじみ、景色(けしき)がとけ出(だ)して、何(なに)もかもが、ぼんやりと輝(かがや)き始(はじ)めました。水(すい)彩(さい)画(が)の上(うえ)に水(みず)をぶちまけたように、色(いろ)と色(いろ)、形(かたち)と形(かたち)が、とけ合(あ)い、混(ま)じり合(あ)い、はっきりと見(み)えません。

「こりゃ、どうしたことかしら?」と、ツバキさんが言(い)いました。

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