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第103回全国高校野球選手権

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春を輝け

夢を支える/上 聖光学院・横山博英部長(47) 「次の主力」育てる使命 /福島

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野球部員にバッティングの指導をする横山博英部長=桑折町で 拡大
野球部員にバッティングの指導をする横山博英部長=桑折町で

 <第90回記念選抜高校野球>

重圧耐える心と技を

 昨秋の東北大会で初優勝を果たし、5年ぶりとなるセンバツ出場を決めた聖光学院(伊達市)。これまでに春夏合わせ18回の甲子園出場を果たした聖光学院には、あこがれの舞台を目指して全国から100人を超える球児が集まっている。この大所帯を支えるコーチ陣やマネジャーの姿を追った。

 雪が残るグラウンドに、大きな声が響く。「そういう小さいミスが試合の流れを変えんだよ。日本一になるんだろ」。守備練習をしている部員たちに横山博英部長(47)が活を入れた。

 実力順にA、B、育成の3チームに分かれて練習する聖光学院。2年生を中心としたBチームの部員は次の主力候補だ。「甲子園で勝負できるチームに育てるのが、自分の仕事」。Bチームを任されている横山部長はその使命を胸に、2年生だからといって手を抜かない。

 Bチームを指導するようになったのは2001年ごろ。甲子園初出場を果たしたことで、部員は70人ほどに増え、レギュラー以外がなかなか練習できなくなった。この状況を見かね、3年生を中心とした主力のAチームと、控えのBチームに分けて指導することを斎藤智也監督(54)に提案したのが、横山部長だ。母校の土浦日大(茨城県)でレギュラーが練習試合をする際、それ以外の部員が別の場所で練習をしていたことがヒントになった。

 この制度を導入してまもなくの秋の県大会。Bチームの選手がミスをした。試合の流れを決める大事な場面。斎藤監督が出したエンドランのサインを、緊張していた選手が見逃した。監督が「あ、これじゃ勝てねーじゃん」と思ったのが、分かった。そして、負けた。「控えの選手を担当している」という甘えが自分にあったことに気付いた。

 選手を預かるからには、勝負できるレベルまで仕上げないと意味がない。「監督が『これなら勝てる』と思えるチームを作ろう」。そう心に決めた。

 それ以来、指導者として成長しようと、練習試合などで他チームの采配を学んだ。部員に対しても、少しでも違和感があれば厳しく指導するようにした。部員一人一人と接する時間も増えた。

 甲子園初出場から17年。聖光学院は押しも押されもせぬ東北の強豪校となった。「来年、夏の12連覇をかけた試合のプレッシャーの中に立つのは、この部員たち。耐えうる心と技術を育て、Aチームに送りたい」。グラウンドに響く厳しい声は、愛情とプライドに裏打ちされている。

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