特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

春の舞台へ

監督と注目選手/4 延岡学園 2枚看板 互いに信頼ともに成長 /宮崎

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
投球練習する<左>萱野投手<右>上野投手 拡大
投球練習する<左>萱野投手<右>上野投手

 <第90回記念選抜高校野球>

 「自分にはずばぬけた強みがないから、頼りにしている」。上野元基投手(2年)が、萱野心希投手(同)へ向けた言葉だ。投手陣を引っ張ってきた延岡学園の2枚看板。2人は互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、ともに成長してきた。

 上野投手は門川町立門川中時代にエースとして全国大会で春夏連覇を果たした。「高校でも甲子園で日本一になる」。そう意気込んで延岡学園野球部に入部したが、大きな壁にぶつかった。中学時代は軟式だったため、硬式球に戸惑った。「思っていたよりも投げにくい」。ボールの縫い目に指がうまくかからず、球が失速するようになった。

 硬式球に慣れようと自主練習では約5メートル離れたネットに向かってボールを軽く投げる練習などを繰り返し、球に指をかける感覚を身につけた。練習を重ねるうちに球への違和感は少しずつなくなり、新チームではエースを任された。中学の時は外角を中心に攻めていたが、昨年秋ごろに三浦正行監督(66)から「インコースもやってみろ」と助言を受け、持ち前のコントロールを生かして内外を使い分ける多彩な投球ができるようになった。

 「自分の強みがあるとしたら、全国大会でも緊張しない強い精神力かもしれない」。大舞台を前にしても気負いはない。

   ◇  ◇ 

 野球部の室内練習場では萱野投手の投球がミットに収まる音が響いていた。ほぼ毎日、練習後に自主練習をしている。

 「悔しさと焦りでいっぱいだった」。甲子園出場投手になると意気込んで入部したが、直後に腰を分離骨折した。練習に参加できない約半年間、部員のサポートに回り、行動を観察した。「練習を多くする人ほど結果を出していた」。腰が治った後はそれまで以上に練習に取り組み、感覚を取り戻していった。

 昨秋の九州大会では上野投手と試合前に「2人でしっかり投げよう」と約束し、互いに信じ合いながら強豪校相手に力投をみせた。準決勝の創成館(長崎)戦では先発。強豪相手に強気の投球で攻め、8回2失点で抑えた。

 三浦監督は互いに高め合う2人について「練習に取り組む姿勢がいい。萱野は上野に追いつくために、やるべきことが見えている。2人の成長が楽しみ」と期待する。

 互いにその力を認め合う上野投手と萱野投手。2本の大きな柱が、チームを勝利へ導く。(この連載は田崎春菜が担当しました)

次に読みたい

あわせて読みたい