特集

第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。1月28日の選考委員会も速報します。

特集一覧

挑む!

’18センバツ由利工 チームづくり/下 肉体改造 瞬発力養い「食トレ」も /秋田

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
佐竹彬さん(左)の指導の下、体育館でダッシュを繰り返す部員たち=由利本荘市で 拡大
佐竹彬さん(左)の指導の下、体育館でダッシュを繰り返す部員たち=由利本荘市で
練習の合間に、部室で昼食をかきこむ部員たち 拡大
練習の合間に、部室で昼食をかきこむ部員たち

 <第90回選抜高校野球>

体重増と体幹鍛え守備安定

 強豪校がそろった昨秋の東北大会の後、選手たちはこう口をそろえた。「体格が違う」

 この大会でメンバー入りした選手の平均身長は171センチそこそこで決して大柄ではない。体格が違えば当然パワーも段違いとなる。冬場の課題は、おのずと肉体改造に定まっていた。

 2月下旬、ウオーミングアップに使う室内練習場内。「1、2、3、4!」とダッシュ練習に励む選手たちの掛け声が響く。瞬発力を養うトレーニングのようだ。

 そのそばで、手を握ったり開いたりしてスタートの合図を送っているのは、トレーニングアドバイザーの佐竹彬さん(29)だ。甲子園では、プレー中の選手同士の掛け声が大歓声にしばしばかき消される。「音だけで反応できるか? しっかりと目で見て判断しろ」と厳しい視線を送る。

 佐竹さんは、体づくりやトレーニングを指導する会社に所属。6、7年前から、月に1度、東京から由利工に足を運んでいる。教えるのは野球の技術向上ではなく、基礎体力づくりや体の動かし方だ。選手はダッシュだけでなく、腰などにゴムを巻き付けて引っ張る筋力強化などに励む。

 さらに年に2回、幅跳びや、うつぶせからのダッシュのタイムを計測。瞬発力やボディーバランスなどを細かく数値化する。過去のデータと合わせてグラフ化し、5段階で評価される。まるで通知表のようだ。

 佐竹さんの分析では、チーム全体として脚力や動作の機敏さがやや欠けるという。だが「みんな体の動きがよくなってきた。成長していますよ」と話す。

 月に1日だけの来県のため、練習時間は7時間に及ぶ。佐々木拓海外野手(2年)はパワー不足を克服しようと、筋力のアップに励んだ。ベンチプレスは2年の春から20キロ増え、65キロを上げるまでになった。「1年のときにけがをして出遅れた。初めはつらかったけれど、『変わらなければ』と思って取り組んだ」と語る。

 また、肉体改造のために積み重ねてきた「食トレ」も成果が出ている。部員は入部と同時に、須田和仁部長から容量2000ミリリットル以上のプラスチック容器を授けられる。目標体重は「身長マイナス100キロ」。昼食時は、カツやハンバーグなどをおかずに、容器を埋めつくした白米をかきこむ。

 身長166センチと比較的小柄な佐藤隼人内野手(2年)は、夏はどんぶり2杯だったコメを、冬の間に3杯平らげるまでに。東北大会後から現在まで6キロ増やし、68キロになった。「体重アップと体幹トレーニングで守備の動きが安定してきた」と成長を実感する。

 選手たちは2月中旬、茨城県で遠征合宿を実施。雪のないグラウンドで守備練習などに励んだ。渡辺義久監督は帰県直後、全員にさらに体重プラス2キロを課した。「もう一段階上のたくましい肉体」を求めた。

 個々の努力がチーム全体のレベルアップにつながっている。【川口峻】

関連記事

あわせて読みたい