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ゆがんだ磁場

東京-名古屋を40分で結ぶ「夢の超特急」の建設工事を巡る談合事件。国融資分を含め9兆円超の巨大事業はゆがめられたのか。波紋を追った。

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リニア談合事件/下 「恩恵」「安全」住民に溝 「夢の動脈」課題が山積

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自宅近くの高台から谷あいで進むリニアの工事現場を示す谷口さん=長野県大鹿村で、森健太郎撮影
自宅近くの高台から谷あいで進むリニアの工事現場を示す谷口さん=長野県大鹿村で、森健太郎撮影

 車がすれ違うのも難しい県道を工事車両が次々と行き交い、険しい山あいに工事のつち音が響く。標高1000メートル以上の長野県大鹿村(人口約1000人)の釜沢地区。2027年の品川-名古屋間開業を目指して建設が進むリニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区の最前線だ。

 大鹿村を含む県南部14市町村はリニアの建設促進を基本方針としてきたが、16年に鹿島がトンネル工事に着手し、状況が変わった。「住民にリニア賛成派、反対派のレッテルが貼られ、地区が分断された」。14年から同地区自治会長を務める谷口昇さん(47)の悩みは深い。

 村内の県道はトンネル工事で出る約300万立方メートルの残土を運び出すため、整備や拡幅が進む。車で約40分先にある市街地の同県松川町とを結ぶ生活道路でもあり、「リニアの恩恵」との受け止めがある。一方、工事車両がピーク時で1日1350台も通る計画に、通学などの不安を口にする人も多い。また、残土置き場の候補地とされる松川町では、道路拡幅を条件に受け入れるとする地区と、土砂災害を誘発するとして反対する地…

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