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東日本大震災7年

亡き人へ手紙 「漂流ポスト」2代目に

2代目ポスト(左)を設置し、初代ポストをトラックに載せる赤川勇治さん(右)ら=岩手県陸前高田市広田町で2月20日、藤井朋子撮影

岩手・陸前高田

 東日本大震災で亡くなった人への思いをしたためた手紙を受け取ってきたカフェ前にたたずむポストが、2代目に交換された。岩手県陸前高田市にあるこのポストは赤い円柱形のなつかしいデザイン。初代は同県一関市の持ち主に返され、2代目は同県奥州市の幼稚園からやってきた。三陸の森の中で、悲しみを癒やしに来る人を静かに待っている。

 カフェを経営する赤川勇治さん(68)は4年前から、店の前にポストを設け、亡き人への手紙を受け取る「漂流ポスト3・11」という取り組みを始めた。心にたまった、やり場のない気持ちを書き記すことで、遺族などの気持ちの整理が少しでもつけばという考えからで、寄せられた手紙は400通を超える。

 <俺は今、震災後初めての旅行中です。震災前は2人でよく一緒に旅行した北海道……寂しいというか、辛(つら)いよ。いつまでもこんなんじゃダメだよね。>

 名前を伏せることも可能だが、手紙の内容は訪れた人が読める。くじけそうになる気持ちや、必死に前を向こうとする被災者らの声が胸を打つ。赤いポストは実際には使われていないが、レトロな姿が人の心を和ませ、店の目印にもなった。ポストに話しかける遺族もいる。

 初代ポストは、赤川さんが通りすがりにたまたま持ち主の庭で見つけた。趣旨に賛同し貸してくれたものだが、いつかは返そうと思っていた。2代目は知人の紹介で奥州市の幼稚園の片隅に20年以上前から置かれているポストに決まった。

 2月20日、幼稚園を訪れた赤川さんや友人が、2代目を軽トラックの荷台に積み込んだ。カフェに戻ると、初代の頭をぽんぽんと軽くたたき「ご苦労様」とねぎらった。

 幼稚園の小川原聖子園長(52)は「役に立てるなら、ずっと使ってくれてかまわない」と伝えた。小川原さん自身、ポストを通してつらい思いを抱えている人が多いことに気づいた。「ポストは誰かの力になれるんだよと園児に話したい」

 赤川さんは「なくすわけにはいかなかった。体が続く限り、守り続けたい」と2代目の貸与を快諾してくれた園長に感謝している。

 手紙の宛先はカフェ「森の小舎(こや)」(岩手県陸前高田市広田町赤坂角地159の2)。【藤井朋子】

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